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51もうひとりの人格

夜和斗視点


 非常に困ったことが起こっている。


<しりとりのり、リンゴ、ゴリラ、ラッコ、コアラ、ラッコ、あ、同じの二回言っちゃった>

(君は誰だ?)ぼくは独りしりとりをする人格へ話しかけた。

<ほうほう、お前、わたしと会話できるほどシンクロ率が高くなったか。一緒にしりとりでもするか?>

 カエル女を倒した日から、この誰かがぼくの内で話すようになった。

(あなたは誰ですか?)


<つれない男ね、そんなんで女子にモテるの?>

(もう一度訊きます、あなたは誰ですか?)

<わたしの名前? 教えてあげても良いけど、名前を教え合う意味って仲良き間柄になりたいという男の欲求の表れよ。このエロガキ>

(なら教えてもらわなくてもいいです。ぼくはあなたと会話したくありませんから)

<まあまあ、そう言わないでよ、これも何かの縁よ。そうね……わたしの名前はタケコと呼びなさい>


(タケコさん質問です、あなたは何なんですか?)

<わたしに興味があるの? エロガキ>

(ぼくは夜和斗です! 分からないことだらけで困っているだけです)

<ほう、無知なら無知のままの方がいいわよ>


(どうしてタケコさんはぼくを助けたんですか?)

<A:助けてって言われたから。あと死なれちゃ困るから>

(タケコさんは何者なんですか?)

<A:記憶喪失だからあんまり憶えてない>


(タケコさんって変なヒトですよね)

<そうです、わたしが変なおばさんです>

 なんかムカつくなこのおばさん。もうちょっとマシなおばさんだったらよかったのにどうしてこんな変なおばさんがぼくの第二の人格なんだよ。


(変なおばさんは凄い強いですよね、ぼくのカラダを使ってヒトを殺して楽しかったですか?)

<言うねクソガキ、お姉さんって呼びなさい。あと口のきき方には気を付けな。クソガキ>

 自分からおばさんって言ったのになんだこのヒト。将来の知渡子か?


(それでタケコさん、どうやったらあなたはぼくの中から消えてくれるんですか?)

<さぁね。どうして君の中に入ったのかもわたしには分からない>

(え、じゃあぼくとあなたはずっと一緒? 死ぬまで?)

<うーん、わかんない。テヘッ>

 テヘってなんだ。そこらへんのおばさんがテヘって言ってるの想像すると嫌だよ。


<うーん、わたし寝るわ、じゃねおやすみ夜和斗君>

(おいおい待てよ、ちょちょちょ、話にならないよこれじゃあ、不完全燃焼だよ!)

<…………>

「はぁ」どうやら本当に寝たらしい。




 お父さんお母さん、どうやら夜和斗は二重人格になったようです。

 おじいちゃんおばあちゃん、頭がおかしくなった時はどうすればいいんだろう。




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