49強くならなきゃ
知渡子視点
白い天井を見るはわたしは中級冒険者について考えていた。
「ヒーラーよ!」
「何が?」と夜和斗。
「わたしたちゼロにはヒーラーがいないのよ! 冒険と言ったらやっぱりヒーラーでしょ!」
と言ってから、わたしは折れた右腕の痛みに耐えた。
今回のわたし何もできなかったなぁ、アンチチートも効かないし、属性チートも使えない状況だし、属性チートは火力を抑えて使う練習しなくちゃだめね。
「ほら知渡子、痛み止め」
「ありがとうマヒト」
「知渡子は一番重症なのに一番元気だね」
「当たり前でしょ、わたしは日堂知渡子よ」
「そういえば、夜和斗はどうやってカエル女を倒したの?」
それはわたしも気になる。夜和斗程度があんな規格外の化け物をどうやって倒したのだろう。
「うーん……なんかこうシュババって感じでズバッて感じだったかな?」
何それ、わたしたちをバカにしているの?
「まあどうでもいいわ、町にも水が戻ってきたし、一件落着よ」
そんなことを話していると、町長のチョウが来た。
「おお、お目覚めでしたか」
「どうも」「こんにちは」「ワン!」
「なんかあったの?」わたしは訊く。
「知渡子様のギルドが完成したので、お伝えに参りました」
早いわね、まぁ大工スキルと大工チートがあればそんなに時間はかからないか。
「どれどれ、じゃあ見に行くとしますか」
わたしたちは完成したギルドとやらを見に来た。
「こんなに大きなものを作ってくれたんですか」
「ほんとうに立派だね」
「ワン!」
わたしの実家より百倍小さいわね。
「さあ、支部が完成したところで本部の借金が減るわけでもないから、さっさと稼いで世界一のギルドにするわよ!」
「知渡子はけがを治さなきゃね」
「右腕が使えなくても左腕が使えるわよ。さっさとクエストに行くわよ!」
早く強くならなくちゃ、みんなを守れるくらい強くならなくちゃわたしが冒険者になった意味がない。
日堂知渡子、もっと頑張らなきゃならないわよ。