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雅と雅 (C)編  作者: 雅也
6/10

6話


                  6


 木曜日、今日は浩二とミヤと岡田で、”はまちゃん”で落ち合う事になっている。


先日の作業のお礼だと言って、岡田が、二人に奢りたいという事で、夕方に現地はまちゃん集合で、ちょっとした飲み会だ。




 夕方、ミヤは一度帰宅し、着替えをしてから、3件隣を目指す。


 二人と会う前に、先に少しだけミィが用事があるって言っていたので、ミヤは先にそちらのほうに行く事にした。

 すると、いつもとは違う雰囲気の女性がいた、しかもカワイイ....いや、奇麗な女性である。

 (あれ? でも見たことがあるぞ?(ミヤ))


 近づいてみると、本宅の玄関先でミィが楽しそうにしゃべっている、奇麗な女性は.......、岡田おかだ 真由まゆだった。

どう言う訳か、今日の真由は、メイクと言い、まとっているものと言い、キマッていた。


 ミィの親友で、今でも親しく交流がある。


 向こうもミヤに気づいたみたいで、二人揃って小さく手を振っていた。


「何だ、一瞬何処ぞのキレイなお嬢さんと思ったら、真由かぁ...」

「かぁ....、とはなによ! ミヤ」

「...で、今日はどうしたんだ? 美人OLさん.......」

 


          *



 改めて.....。

 そう、この“岡田 真由”は、ミィ の大学時代からの親友で、時々“はまちゃん”にも来る。

 家はココからゆっくり自転車で10分くらいの所に住んでいて、意外にミヤの先輩の浩二のアパートにも近い。


 時間が合えば、ミィ と二人で、スイーツ巡りなどを今でもやっているみたいだ。



         *



「今日はどうしたんだ?」

「へっへ~....、どれ、ちょっとミヤの顔を見に行こうって。どんな顔をしているのか....、なんてね....。えへ」

「すいません、こんな顔です」

 そう言って、ミヤは両方の掌を両頬で広げ、おどけた。


「あらぁ....、すっごぉいイケメンじゃないのぉ.....」

「最後伸ばすなよ、変に聞こえるぞ」

「聞き方に寄るわよ」

 二人のやり取りを聞いてたミィが。


「二人とも、こんな所で喋ってないで、中に入って」

と促された。


 部屋でいい?と聞かれたので、「「はい!」」と同時に答えた。 (おお!いま真由とハモったぞ)


二階のミィの部屋に3人で入ってすぐにミヤが。


「そういえば、真由の父さんに会ったぞ」


 真由が笑顔になって

「うん、お父さんも、ミヤの事すごく褒めてたよ。頑張ったんだってね」

「ま、まあね。でも、真由の父さんって、いい父さんだね、皆から信頼してもらっていて、頼りになる、現場の職人!って感じの人だったよ」

「はは、何か、自分の身内を褒められるのって、恥ずかしいな....」

「そんなことないぞ、あれからオレ ”岡さん”が大好きになったんだ」

「そう言ってもらって、ありがとね。お父さんも 近いうちに浩さんとミヤくんにはお礼がしたいって言ってたよ」

「えぇ、わざわざいいのに...」

「そのうちに、お誘いがあるかもよ、うふふ」

「な、なんか照れるな」


(実は、真由 そのために、お前の父さんは、今たぶん下の店に居ると思うぞ)


 続けてミヤが


「....で、なんか女子トークがあるみたいだから、オレ先に店のほうに行ってるぞ」

とは言ったが、二人に言われる。



「「ちょっと待って!」」(今日は、良くハモる日だな)



 と言われて、ミヤは部屋から出て行こうとしたが、泊まって振り向き。

「改まってどうした?」

 と聞くと、真由から。


「ねぇミヤ、実はね、実は.....」

「.......?」

「........」


何か歯切れの悪い真由。


「.......?」

「その.....」

「.......?」

「あの.....」

「え~~っと、急に話が全然前に進まないんだけど、真由らしくないぞ」

「そ、それが実は....」


 しどろもどろになって、先に進まないので、ミィに尋ねる事にした。


「もう、ミィから話してくれ、どうせ知ってんだろ?」

「もう!真由ったら。.....、いい?私から言うよ」


「う.....、うん....」


 ふぅ....、とため息をついて、ミィが話し出す。


「実はね...、真由がね...、浩さんの事が好きみたいで」

(ちょっと白々しいぞミィ、先日教えてくれたのに)


「えぇぇぇぇ!!」(ミヤも白々しい.......、かな....)


「こ、こら、声がでかいよミヤ」


 実は、ココに来る前に、ミィから連絡があり。


 

『今日、真由が来るんだけど、たぶん浩さんの事だと思うのね、だからとりあえず、ミヤはその事は知らない設定でお願いしたいの』

との連絡をミヤは受けていた。



「それでね。何となく探りを入れながら、浩さんが最近お店に来る時を狙って、近づいてはいるんだけど、何て言うか、てんで相手にしてくれなくって、どうしたらいいか、悩んでいるの」

「だから最近良く はまちゃん に来るんだ。 恋する”おとめ”だなあ......、真由も」


「茶化さないの!ミヤ」

「ゴ、ゴメン....」

 

 (結構真剣なんだな)


「そ、それでね、浩さんって、ホントに今彼女っていないの?」

「うん、それは事実」

「じゃぁ、そっちはオッケイね」

「それじゃぁ、近々ハッキリと告白でもするのか?」

「そういう路線でいこうと思ってはいたんだけど、今までも会う度に、気づいてもらえる程度にやんわりとアプローチはしていたんだけど、なぁんだか、ヤンワリ断られている様な、気が付いていない様な感じがしてるんで、ミヤに相談してみようって事で、何か知らない?」

「う~ん...、これと言って最近思い当たる節は無いんだけど...」


 少し考え込む(フリをしている)ミヤだが、少しおいてから。

「そう言えば、浩さん 以前彼女が居たってのは聞いた事があるな」



「「そうなの?!!」」



 おぉ、見事な女性陣のハモリ。(ミィ、そこまで.....)


「でさ。オレもあまり根掘り葉掘り聞いてはいないんだけど、どうやら話してて、その彼女だった人との別れ方に原因があるみたいな感じがしたんだ」

「そう言えば、暫く彼女はいいかな...、なんても言ってたな」


「え~、そ...、そんなぁ.....」


 真由ががっかりと項垂れる。

「じゃぁ、告白しても、ダメみたいなんだ....、多分....」


 さらに項垂れ、気落ちする真由。


「でも、オレたちだけ幸せってのも、なぁんか居心地が悪いっていうか、変な意味の罪悪感みたいなものもあるし」

「そんな事はないよ、って言うか、そんな風に思わないで、二人とも。私が惨めになる~...」


 さらに少し間をおいてミヤが。


「それじゃぁ、オレ下に行って、先に浩さんにそれとなく伝えとくから、ある程度時間が来たら連絡入れるから、そしたらそのタイミングで下に来てくれるか?」

「えぇ!!今、浩さんいるのぉ?!」

「だって、さっきの話じゃあないけど、今日 真由の父さんと三人で、飲もうって事になって、って、もうこんな時間、ヤベ!!もう揃っているかも。オレもう行くから、後でな....」

「え、そ、そうなの? お父さんもいるの?今」

「はい、そうです」

「何だ、先に言ってよ」

「スマン、とにかく、先に行ってるよ。後でな」

「「うん」」


 そそくさと、ミィの部屋から出て、一階の店舗がある方へ急ぐミヤだった。



 真由が

「相変わらず、人の気持ちを読みとってくれる、いい男だねぇ。いいなぁミィ....」

「うん、えへへ。ああいうところがまた大好きなんだ」

「あぁ!はいはい.....」

「そこ、スルーしないでよぉ...」

「さて、それは置いといて」

「置いとかないで~」

「いい加減にしなさい!」

「はい!」


 一掃して、ミィが聞く。

「真由 話続ける?」

「うん」

「だよねぇ、やっぱり」


恋愛話を続けるみたいだ。


「...で、進展はぜんぜん?」

 難しい顔をする真由。

「..........」


「そっかそっか~、なかなか手ごわいよね」

「そもそもだよ、こんな奇麗なお姉さんが近くにいても、普通にしか相手にされてないのが悲しいよぉ」

「おぉ、よちよち」


 真由の頭を撫でてやる、すると。

「もっとしてぇ~、えへへ....」

 なんか、変だ。


「真由、今日は恋の相談だよね!」

「はい!そうでござる」

「ふざけてるでしょ!もう 聞かないよ!」

「うぅ、すみませんでした」


 真由が敬礼した。

「...では、今日攻略してみようって思っているんだよね。だよね!」

「何で2回言う、ミィ」

「う~ん...、大事な事なんで、つい」

「で、でもなぁ。お父さんが一緒ってのが...」

「分かる。言いずらいのに、さらに気まずいよね、ソレは」


「「...........」」


 女子二人は考え込むが、意を決したみたいに、ミィが吠えた。


「もう!当たって砕けなさい!! 真由」



「えぇ~~~~~!!」




「他人事だと思ってぇ....」

「だって、他人事だもん」


「うぅぅぅぅ.....」


「分かった...、砕ける...、事にする」

「骨は拾ってあげるからね」

「骨も砕けるかも.....」


(あはははは! ゴメン笑って(作))


 そんなトークが続いた。



       □ □ □



 改めて。


 そう、このミィの大学からの同級生の 岡田おかだ 真由まゆは、何を隠そう、ミヤと一緒の会社の先輩 早川はやかわ 浩二こうじの事が好きで、こうやって時々ミィに会いに来て、思いの丈を、話しているのだ。

 別に何処かのファミレスで話してもいいのだが、じつは浩二がココ”はまちゃん”の常連である事に、意味があるのだ。



      □ □ □



「何か、せつないね」

「わ~ん!つらいよぉ~....」

「でもハッキリしているのは、さっきもミヤが言ってた通り、今の浩さんって、絶賛 おひとり様(これって男にも使っていいんだよね?)って事は確実だからね」

「その情報だけでもメチャ安心してるよ~、感謝もしてるよ~お二人さん達には」

「うんうん」


 は~っと溜息をつきながら。


「ひょっとして私、女として見られて無いかも!」

 突然言い出す真由。

 今度は、ミィが大きな はぁ~....、を出した。


「それじゃぁ、女性一般に興味が無くなったのかも....」


 この言葉を聞いて、真由がうなだれ、倒れた。



 (お互い名前も知っているし、はたから見たら結構良いカップルになれると思うんだけどな~。(ミィ))



 浩二も ミヤ と同じくらい背が高い(170センチ後半か、180センチくらいだ)、一方の真由は身長が165センチ、ミィ よりも若干高い、なので、もしも浩さんと真由が付き合ったら、めっちゃいい感じになると思う。



「え~ん!誰かミラクル的なキューピットはいないのぉ....」

真由が起きながら、言った。




(真由、実は意外な人が キューピットなんだよ........。(作))













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