現在
30歳、独身、童貞。
本当にコミュ障ってわけじゃない。
気弱そうな、いわゆる文系みたいなやつとは上手く話せる。
だって、見下してるから。
でも、昔でいういわゆるウェイ系には、全くうまく話せない。
周りの見下してたオタクはどんどん結婚してく。俺は未だ童貞。
マッチングアプリをしてみた。出会う女性は、俺と同じやつ。手当たり次第にイイね!おしてる女だけ。そんな女たちとすらうまく話せない。趣味もないから、共通の話題もない。
一個だけ、饒舌に話せる話題がある。仕事の、話だけ。他に何もない。
年功序列だけで少し資格が上がった。仕事が集まって、忙しくなった時期があった。
22時まで働いて、土日も家に仕事を持ち込んで、サービス残業。
そんな仕事もひと段落した。散関期だ。
そんな時にちょっと、なんとなく。本当になんとなく、今まで使ってなかった在宅制度を利用してみた。
ふと、夜。アパートで、寂しいな。そう思った。
もう、止まらない。毎日、仕事場とアパートを行き来する毎日。土日、やることなんてない。こんなにも地球は大きいのに、俺の生活は仕事場とアパートとその間の道だけしかない。大きな不安が、俺を襲った。
涙が、止まらない。耐えきれず、外に出た。
あてもない。ただ、近くの寂れた商店街に向かう。
どうしてこうなったんだろう、備忘的に半生を、省みたい。