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記憶を取り戻せ!
目覚めた私は何も分からなかった。
何故だろう。
私は誰?
ここは何?
そんな不安定な状態の私の目の前に
「にゃんころりん!シキちゃんおはようだにゃん」
間の抜けた声とぬいぐるみみたいなネコ。
いや、喋るネコのぬいぐるみに訂正。
トテトテと短い二本足で近寄ってきた。
まだ目が冴えていないせいか、黒っぽく見えたが真っ白なぬいぐるみ。
何から頭に入れたらいい?
この状況が異常なのは分かるが、まだまだ今の私には無理だった。
何もかも私には記憶と常識というものが、殆ど落ちてしまったから。
ああ、私は何なんだろう?
「シキちゃん、大丈夫かにゃ?にゃんはにゃんこだにゃ!」
えっへんと言わんばかりのにゃんこ。
そして次の言葉で私はこのぬいぐるみ、もといにゃんこへ多大なる世話になると気付かされた。
「シキちゃんの記憶、色んな所に沢山転がっるだにゃ!だから、これから探してシキちゃんが一番と思った場所に住むだにゃ!」
ネコのおまわりさん、私のお家は何処ですか?