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第三話 死に戻り二回目
大勢の国民が大通りの両端にずらりと並ぶ。
圧巻な様に、人の隙間がないほど並んでいる。
そうだ。今は遠征からの帰りだ。
王からの勅命で古城に住う竜の討伐を終えたオプライトス王国騎士団の騎士達はオプライトス王国の王都ラティアに帰還。
騎士達は皆、疲労の顔色は残るものの剣を持ち、国を守り、王の命令を成し遂げた誇りと気概に満ちた表情を浮かべている。
その中で一人、嗚咽し苦悶の表情を浮かべる騎士がいた。
「アーベル、大丈夫か?」
「………すみません、フロイド団長。体調が悪くなって」
「顔色が悪いぞ。長旅で無理もない。この後の式典は抜けていいから休め」
「じゃあ、お言葉に甘えます」
ーーー
家のベッドで休む。
脳内にエマの死がリプレイされる。
また守れなかったと悔しさだけが残る。
夜猫部隊。
エマを殺す仮面集団。
奴らの強さは本物だ。
二人がかりで来られたら勝てない。
「泣いてる暇はない」
奴らが王城に現れるのは三日後。
それまで何か打つ手を見つけなければならない。
「エマはあの仮面の男達を知ってたんだろうか?」
聞きに行ってみるか。