これって夢かなって
また、過去の夢か
最近やたらリアルな夢を見るな
リアルな夢を見るとなんだか寝たのに疲れる
だが今日は仕事だ、昨日のように夢の余韻に浸っている暇はない
俺は重い身体を無理やり起こしてリビングに向かうのだった
「おはよ」
俺はあくびをしながら気怠げに言う
「おはよー!ゆうくん、ちゃんと起きられたね、えらいぞー!」
リビングに響く懐かしい声…
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俺は混乱する
あれ?まだ、夢をみているのか?
そこには思い出より、すこし老けた母さんが…
あの懐かしい笑顔で俺を迎えてくれたのだった
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俺はポカンとするしか他なかった
母さん…母さん?
まだ寝てるのか?俺
そう思って俺は夢から覚めるべく、頬を両手で思いっきり叩く
痛い、思ったより力が入っていたようで、めっちゃ痛かった
「ちょ、ゆうくん?!どうしたの、ねぼけてるの?ほら、カフェラテいれたから、これでも飲んで目を覚そ?」
俺は、母さんに促されるようにいつもの席に座る
食卓には
見慣れた姿の親父、妹
どうやら過去の夢…ではない…ようだ
そして、親父の隣には…母さんが…親父とイチャイチャしながらニコニコと座っているのだった
朝食は、母さんの得意の和食(ご飯、鮭の塩焼き、卵焼き、味噌汁、お浸し)
懐かしい味だ
それを噛み締めてゆっくり食べていると
「お兄ちゃん、そんなゆっくり食べてると遅刻するよ?ね、お母さん」
「そうよ、いくら母さんのご飯がおいしいからって、それで遅刻したら母さん嬉しいけど悲しいわ?」
「……」
「どうした、裕樹?ぼーっとして、風邪か?」
父が心配したように聞いてくる
「え…いや、その、これって夢かなって」
「やだ、もー!お兄ちゃん!まだ寝ぼけてんの?ほっぺつねろうか?」