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不思議夢白書  作者: ゆきゆうな
6/12

お母さんに、会いたいね

母さんのお墓について、みんなで墓石をきれいにしたり、花を生けたり、周りを掃除したり

母さんが寂しく無いようにいつもわざと少し騒がしくするのが暗黙のルールだった


落ち着いたところで、持ってきたお菓子をお供えして、手を合わせる


決まって親父は長々と手を合わせている

きっと母さんとあれこれ話をしているのだろう


俺も妹もわかっているから、その場を静かに離れて、ベンチでジュースを飲みながら下に見える景色を眺めるのだった


「お母さんが死んで、もうずいぶん経つね」

妹がポツリと言った

「ん…」

「また10年なのに、お母さんがいたときがもうずっとずっとはるか昔のことみたい」

「…」

「年が経つにつれてね、お母さんの声や温かさを、忘れてきてる気がするのが…怖いの」

いつもけたたましい妹とはちがい、弱々しい声

「…」

「お母さんに、会いたいね」

「……ん」


妹は泣いているようだった

俺は、泣くのを我慢しようと、高台から見える景色を無心で眺めるのだった

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