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優雅な朝食?
「おはよう、裕樹」
ゆっくりと穏やかな声で新聞を読んでいた親父が声をかけてくる
「おはよ」
俺はまだ目が覚めず、ぶっきらぼうに返事するのだった
朝飯は、ホットケーキにウインナー、スクランブルエッグ、ほうれん草のバター炒め、それとカフェラテだ
朝飯はいつも親父が用意してくれる
スクランブルエッグは絶妙にふわふわでウインナーはタコになっている
ほうれん草も最高の味付けだ
我が父ながら、料理の腕は一目置いている
だが、たびたび忍ばせてくるキャラを模したメニューは…親父の趣味ではない…と思いたい(ホットケーキは人気アニメのキャラアートが施されている)
それをもくもくと食べていると
「お兄ちゃん!ご飯たべたらさっさと着替えてよね!いつもみたいなだらしないカッコはだめだよ!」
バタバタ家中を走り回りながら口もうるさいものだから、賑やかを通り越して騒音だ
これがなければ優雅な朝食なんだが…
「うーい」
これ以上うるさくされてはかなわん
俺はちょっといそいで朝飯をかきこむのだった