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不思議夢白書  作者: ゆきゆうな
12/12

その夢の始まりは

飯と風呂をすませ、部屋に戻る


相変わらず親父も妹も、母さんがいることに違和感を覚えている様子はない


仕事帰りに墓地をうろついたからか、ほどよい疲れに眠気を覚える


布団にごろんと横になる、そのふわふわとした心地の中思い出したのは、昨夜の夢…


母さんに、健康診断に行ってくれと懇願した夢


まさか、な?

そう思うか思わないかのうちに俺は夢の中に落ちていくのだった



その夢の始まりは

チャリに乗っているシーンだった

かなりのスピードが出ている

海ですこし遊びすぎて、もう陽も落ちかかっている

はやく帰らないととっぷり暮れてしまうだろう


ああ、懐かしいな

毎年海でダチと遊ぶのが楽しみで

海開きが待ち遠しくて、解禁と同時に中学の同級生と少し遠い海へ遊びに行った日だ

遊びすぎて時間が過ぎるのを忘れていて

暗くなるのに気付くのが遅すぎて慌ててみんなで猛スピードで帰っていたんだ


そうだ、俺はこの後…

事故に遭ったのだ

猛スピードで急カーブに突っ込んで

対面から来た軽トラにぶつかって…

骨折だけで大事には至らなかったが


いまでもその時の傷が俺の右のふくらはぎにのこっている


ああ、この先だ、この先の急カーブだ

俺は、後ろを走るダチに大きな声で言う

「ちょいストップ!今なんか落としたかも!」

もちろん嘘だ

何にも落としていない


そう言うなり、俺たちはチャリを停める

「おい、佐倉、何落としたんだよ?」

後ろを走るダチも慌ててスピードを落とす


俺は、何にも落としてないのを知っていたが、わざと前のカゴをガサガサと1分ほどさわったあと、心配そうに見つめるダチ2人に

「きのせいだったわ!すまん!」

そう笑って見せると、チャリをまた走らせようとペダルに足をかける


その目の前を

ブロロ…と俺がぶつかるはずだった軽トラが通り過ぎていくのであった

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