食卓
マリヤが泣き出すと、自分の手を離し右手をわきからマリヤの体の下にいれ、マリヤを持ち上げるように体制を変えて自分がマリヤの下になる。
マリヤはされるがまま自分の上になり、自分の胸に顔をうずめるとより大きな声で泣いていた。
マリヤを抱えながら、自分はとある1つの仮説を立てていた。
今まで見たもの、聞いたこと、そして今日聞いたこと。
自分が立てた仮説が正しければ筋が通る。
マリヤが泣き止み落ち着くとマ2人とも椅子に座り互いを向き合う。
互いの手に手を重ねると、マリヤは小さな声で呟く。
「私、ティアに会いたい。」
そう言ったマリヤを連れて2人家を出た
マリヤは走り出し、自分も追いかけるがだんだん距離が開いていく。
ティアの家に着いたマリヤは扉の前に立ってドアをノックしていた。
後から息を切らして追いついた自分が扉を開け、マリヤが中に入る。
マリヤはまっすぐ寝室へ向かっていき扉を開けると、おびえてダガーを構えているティアと目が合い、二人とも一瞬固まる。
マリヤがすぐにティアに泣きながら抱き着き、ティアも泣き出してしまいその場だしゃがみ込む。
寝室に入ってティアの落としたダガーを拾い寝室を出ていく。
しばらく泣き声が聞こえた後、話し声が聞こえてきた。
内容は聞き取れなかったけど、2人の話す声を聞き、安心した自分は椅子に座ったまま目を閉じた。
いいにおいがして目を開けると楽しそうに料理をしている2人が目に入る。
2人ともまるで少女がままごとをしているときのように楽しそうに、いやなことすべてを忘れている様だった。
目を開けた自分にマリヤが気付き、
「ご飯食べよ!」
と語りかけてくる。
3人分のオムライスが運ばれてきて、そのあと1枚のステーキがやってくる。
マリヤが自分の後ろに回り、耳元でささやく。
「元気が出たら食べさせてあげるって約束だったからね。」
珍しく照れながら囁いたマリヤを見て少しときめいてしまう。
2人ともが席に着き食事を始める。
まるでこれが最後の晩餐かのように味わって食べる2人を見ながら、多すぎる量の食事を平らげた。
食事と片付けが終わり、三人で机を囲んで座る。
ティアさんとマリヤは真剣な表情で互いを見つめ、ティアさんがうなずくと自分のほうを見てこういった。
「私たちどうすればいいの?」
そんな二人を見ながら自分はこう返した。
「まずは、お金を貸してください。」




