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無能の異世界物語  作者: ちくわぶ
ギルドでの生活
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悪夢-2

煉瓦には血が垂れていき、どこからでも自分の跡を追うことができる。


どれほど歩いたかわからないが、本当に限界に近づいてきている。


もう目の前の景色すら霞んでしまい、これは夢なんではないかと思ってしまう。


目の前には橋がいくつも見えてきて、見覚えのある家を探す。扉をノックしてもたれかけていると、扉が開いてその場に倒れこむ。


涙で腫れた目をしている女性が自分の顔を覗き込む。


自分の頭を抱え込み、本日何度目かわからない金切り声が聞こえる。


「ティア」


強く自分の頭を抱え込むマリヤの姿を見て安心したのか、その一言だけ言って、意識を失った。





ふと気が付くと目の前には謎の洞窟があった。


その洞窟の中は真っ暗で外から見ることはできないが、中に入るとなぜかよく見える。


その洞窟の中は多くの結晶があり、その結晶自体が光を放っているようだ。


その洞窟の中には多くの人がいた、とてもきれいな金髪の女性、少し身長が高く感じ、その表情はとてもやさしい。


その洞窟の中には多くの人が倒れていた、筋肉隆々の男、きれいな金髪の女性、ふくよかな女性、眼鏡をかけたショートカットの女性。


その洞窟の中には1つだけとてもまぶしく輝く結晶があった。


その結晶に近づいてみる。


目の前の池には死体の山、一部は腐っていて、そのほかは苦しみに悶えている顔をしている。


死体の上を歩き光る結晶に触れる、その結晶の中にはとてもキレイな見覚えのある女性がいた。


右手を広げ、彼女の右手に重ねてみる。


急に眼を大きく開けた彼女は結晶内で口を動かす。


「助けて」


なぜかわからないがそう言っている気がした。


そして、彼女を助けなきゃいけない気がした。


彼女の手から離した右手を強く握りしめ、思いっきり振りかぶり結晶を殴る。


結晶は固くびくともしない。


再び殴りつけるが、骨が折れたような痛みが走る。


それでも拳を下ろすことはなく殴り続ける。


血があふれ、骨は折れ、砕け、もう拳と呼べるのかもわからないものを殴り続ける。


すると、ついに決勝にヒビが入る。


そのヒビは少しづつ大きくなっていきついに割れる。


結晶が割れるのと同時に中にいた彼女も割れてしまう。


目の前で砕け散った彼女を見た自分は冷静ではいられず、叫んだ


「うわぁぁぁぁぁぁー!!!!!」

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