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無能の異世界物語  作者: ちくわぶ
ギルドでの生活
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ギルド-3

部屋で待っていると扉が開く。


受付嬢が4冊の本を持って入ってくる。


赤い本が3冊と緑色の本が1冊。


その本を机の上に置き赤い本を1冊、緑の本を1冊、それぞれを開いた。


「この赤い本の各ページの一番上には日付、一番下には数字があるから、緑の本の表に書いてある数字と違いがないか確認しておいて!

これしてくれたら家に泊めてあげるから!」


と説明をして部屋を出て行った。


扉が閉まったあと、ガチャと聞こえた気もする。


文句を言う相手も、他にすることもないのでとりあえず目の前の仕事に目を向ける。


よく見るとこの本はとても分厚い。


ページが多いわけではなく、紙1枚1枚が分厚いのだ。


あの受付嬢もよくこんなもの何冊も持てたな。。。と感心する。





部屋の扉が開く音がして驚く。


とりあえず目の前の仕事に集中していたが気が付いたらもうすぐ2冊目も終わりに近づいてきている。


「どれくらい進んだー?」


と明るい声で入ってきた受付嬢は自分の進捗を見て驚いていた。


「いやー助かるよー!

村出身っていうから1冊も終わんないかと思ったけどもう2冊目も終盤かー!」


突如身震いに襲われる、彼女からのコメントよりも大事なことがあった。


この部屋にどれほどいたかは定かではないが、そろそろヤバイ。


「トイレどこですか。」


切羽詰まった顔で問いかけた。


「あ、こっちこっち。」


受付嬢はそういうと部屋を出て、カウンターの向こう側へ自分を招き入れた。


急いで後を追いトイレへ駆け込み用を足す。


トイレを出るとカウンターに立っている受付嬢が手招きしてそこそこ大きな声で自分を呼んだ。


「君!帰るよー!!」




煉瓦造りの家に囲まれた帰り道を歩きながら少し状況を説明してもらった。


受付嬢の名前はマリヤ、そしてあの女性の名前はティナ、ティナはギルドお抱えの傭兵でありながら、よく人助けをしている変わり者であると教えてくれた。


「傭兵の人たちはねー実力はあるんだけど、少し横柄な態度の人が多くてねー。

ティナなんかはもともとどっかの学校で働いてたみたい。

多分だけど明日もある程度の知識を教えてくれるんじゃないかなー」


うれしそうな顔でティナのことを語るマリヤの後ろ姿は月の明かりでとてもまぶしく照らされているようだった。

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