到着
おしりの痛みと付き合い彼女のことばかり考えること3日間。
自分と新しい世界を照らしていた赤く燃える太陽が森の中に沈んでいき、御者の人が持っているランタンの明かりが周りを照らしていく。
夜はいつも大柄な男性が担当している。
彼はあまりしゃべらないがたまに後ろをちらちらとみている。
これが警戒のためなのか、それとも自分の身を案じてなのかは定かではないものの、時々見せるとても優しそうな微笑みが自分に暗い夜道の中でも安心感を抱かせる。
一方の細身の男性はしょっちゅうこっちを向いてしゃべりかけてくる。
ほんとにこの人で大丈夫なのだろうか、と心配になることもあるが時々遠くをにらみ警戒しているときは別人になってしまったのかと錯覚するほど雰囲気が一変する。
そんな2人の警戒のおかげか、トラブルに巻き込まれることなく町に到着した。
この町はギルドというシステムが生まれた町。
昔に多くの村が魔物や獣の被害に悩んだときにそれぞれの村から蓄えを集め腕に覚えのある旅人に駆除を依頼したことから多くの実力者が集まりギルドというシステムが生まれたらしい。
そして、ギルドの設立とともに一か所の村に集まり町として名乗りを上げたようだ。
町の名前は人々が集まった村の名前をそのまま用いてギゼルの町。
町が近づくにつれ木々は減っていき、門につくころにはとても見通しが良くなっていた。
町の周りには川が流れており橋を通らなければ町の中には行けなさそうだ。
御者さんに門番に紹介してもらう。
門番さんは30歳ぐらいに見える少し小太りの男性。
「小さな町でよかったな、若いの!
ここが大きな街だったら身分証明書がいるぞ!」
ガハハと豪快に笑いながら言っていた。
少し酒臭い気がしたがそれだけ治安がいいということだろう。
門番さんは小さな町というがとてもそうは思えない。
多くの家が並び、武器を持ったガタイのいいひとが多く歩いている。
「十分大きな街だと思いますよ。」
と門番さんに笑いながら伝えると、門番さんは笑いながら。
「そうなのか!俺は生まれも育ちもこの街だからな!知らんよ!」
と酒臭い息を発しながら笑う。
御者さんが自分にあいさつに来たので、門番さんに別れを告げる。
「なんかあったら声かけてよ!
できれば楽しいことでね!」
と細身の男性が笑いながら言っていたが、それを"はいはい"と流しながら大柄な男性と握手をする。
最後に2人に礼を述べ町の中心のギルドへと進み始めた。




