表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/128

黒き大災害その6

シェシュルの治療を受けながら暴れるドラゴンを見る。

あれの逆鱗をどうやって剥ぎ取るか……

魔術で取れるのなら任せたいんだけど魔術を90%カットする

らしいから魔術じゃあビクともしないだろう。

だったら、俺が飛び移って引き剥がそうとした結果、尾で叩き落とされた。

どうやったら喉元にへばりついて逆鱗に触れる事が出来るか……。


[素直にそうしたいから手伝って欲しいと言えばいいじゃないですか。

そう言っても手伝って貰える程の信頼は勝ち取ってますよ]


そりゃ、そうだが………。


[もしかして、協力して貰って死なれたら嫌だから

言い渋ってるんですか?]


そうだよ、なんか文句あるかよ。

これまで何度か手伝って貰ったが絶対なる安全は保証出来なかったが

出来る限りの安全は保障してきたつもりだ。

まぁ、毒の霧については盲点だったけども……。

だが、今回はそれが出来ない。それほどまでにあのドラゴンは強い。

俺が知ってるこういう別世界の話じゃあ大体噛ませ犬だというのに

その考えを嘲笑うかのような圧倒的なまでの強さで暴れまわっている。

あんなやつ相手に命の保障なんて一ミリも出来ない。

だからこそ――――


[先に言っておきますが、ケンさん一人じゃあ逆鱗に触れるまでが限界だと

思いますよ。さっきので確信しました]


………死を覚悟しても、か?


[はい、ケンさん……いえ、数値上はドラゴンの戦闘能力はこの場にいる

魔術師の皆さん、人外の存在の皆さん全てを合わせても凌駕しています。

一人じゃあ裏の一つや二つかいたところで埋められないぐらいに

スペック差があります。そんな相手なんですよ。だから―――]


わかってるから少しだけ考えを整理させてくれ。

……死が迫ってくる恐怖と違って、自分が死ぬ恐怖ってのは一瞬だ。

でも、誰かが死んだ時に感じる感情は自分が生きている限り永続だ。

だから怖い、怖いからこそその事から逃げたい。

けど、今はそんな事言ってる場合じゃない。


「だ、大丈夫ですか、も、もしかしてどこか痛むんですか?」

「……いや、なんでもない」


アンジュと話している間にシェシュルに心配させたみたいだ。

こいつらを生かそうとするためには死がすぐそばにいる場に連れて行かない

とどうしようもないってのが皮肉だな……仕方ない……。


「……お前達、あいつを倒すために手を貸してくれないか?」

「もちろん手は貸すけど……何か手はあるの?」

「ああ、吹っ飛ばされる少し前に気づいたんだが、あいつの喉の

この部分が不自然な光り方してたんだ。まるで、私が弱点です

と主張するようにな」


そう言いながら、逆鱗があるという位置を指で刺しながら話す。

アンジュが解析して教えてくれた情報をさぞ俺が見つけたかのように

説明するのは気が引けるが、そうでもしないと説明がややこしくなるからなぁ。


[仕方ないのはわかりますけど、なんかあれですよねー……]


………すまん。


「……ふ、不自然な光り方ですか……」


シェシュルは魔法陣を展開し始める。


「……何をする気だ?」

「こ、これで熱の流れを見ます。あ、あの蒼いエネルギーが高い熱量を

持ってる事から考えると、ケンさんが言っている事が正しいのなら

その部分に流れが集中しているはずですから」


魔法陣越しにドラゴンを見るとドラゴンの上半身部分に

熱が集中しているのがわかった。

サーモグラフィみたいなやつって事か。

こうしてみると、胸と首のある部分に熱が流れているのがわかった。


「確かに、熱が喉の一部に流れて行ってるわね」

「こ、これを見る限り喉を狙うのはありだと思います。

む、胸の方は甲殻や鱗を考えると難しそうですから」

「でも、さっきラオージュの竜巻を耐えるほど頑丈なのにどうやって引き剥がすの?

それにこの熱の流れを見る限り高い熱を持ってると思うけど……」

「そこは任せてくれ、俺がやる」


手伝って貰ってるんだ、俺が手をつぶしてでもなんとかするさ。


「熱の方はあの時のように我が緩和しよう。

しかし、どうやって首へと近づく。

お主は跳んで近づいた結果返り討ちにあったのだろう」

「その通りだが、どうやって近づくか……

また、鬼の長と一緒に足に一発入れて倒すか?」


いや、一度見せた以上今度は対応される可能性だってある。

あれなんか足を上げられたらスカるからな。

そして、足を踏み下ろされたら押し人間と押し鬼の出来上がりだ。


「そ、それなら僕に考えがあります」

「考え?」

「は、はい、それはですね――――――」































「確かにそれなら、行けると思うが連絡はどうする?」

「こいつがあるから大丈夫よ。それよりも……

アヤカ、あなたに最初の大役を任せるんだけど大丈夫?」

「だ、大丈夫、みんなにいっぱい助けて貰ったんだから

今度は私がが、頑張ってみんなを助けるよ」


まだ恐怖心をぬぐい切れないのか、声が若干震えているアヤカ。

失敗すれば即死する上に作戦が崩壊しかねない大役だ

恐怖するし、緊張するに決まっている。

現に深呼吸して少しでも気持ちを落ち着かせようとしていた。


「アヤカ、悪いが頼んだぞ」

「う、うん、ま、任せて」


心配だな……一言アドバイスでも――――


「アヤカ……とやら」

「…え!?……はい、何かな?」

「ゆうておらんかったがその剣はこの世界そのものの力を引き出すもの。

引き出す量は使用者によって変わる。怯えていては微々たる量しか出せまい。

自信を持て、己は強い、己ならやれる……そう思って剣を使うのじゃ」

「自分は強い……」

「うむ、自分ならばあの大災害と張り合える……いや、打ち勝てる……

そう思って剣を振るのじゃ」


……言おうとしてた事全部言われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ