表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/128

絶対熱界と絶界風域

国から離れた場所で二人の男が向かい合う。


「ラオージュ・ルラーファだな」

「確かにそうだが、派手に入国して何をする気だ?」

「見て分からないのか…。侵略だよ」


片方の男の背にある溶岩が噴出し、もう片方の男に襲い掛かる。

が、その溶岩を竜巻が阻んだ。

まるで、生きているかのように動く竜巻がそのままその溶岩を弾き飛ばす。


「流石は風魔術師の頂点。こうも安々とこのレベルの魔術を扱うか」

「そういうお前は弱いな。この程度とはな」

「何、小手調べだよ。小手調べ」

「小手調べ…な。じゃあ、こちらも小手調べに行かせてもらおうか」


同じような竜巻が新たに2つ出現しそれぞれが鞭のようにしなり、

溶岩を操る男へ向かって振り下ろされる。

その男の背後の溶岩から今度は炎が複数噴き出し、そちらも鞭のようにしなり

竜巻とぶつかり合う。


「はは、風魔術が炎に勝てるとでも。力を乱されるというのによぉ!」


そう言うと、さらに炎の鞭を複数放出し、更に竜巻へとぶつける。

複数の炎により周囲の温度が上昇し、空気の流れが乱れる。


「その程度の炎でか?」


竜巻は少しずつ炎の鞭を飲み込み、押し始める。

炎を操る男はそれに気づき、すぐさま他の炎を展開しようとしたところで

竜巻を操る男は剣を抜く。その剣から竜巻が片方の男へと発射される。

男はもちろんの事、炎の鞭や溶岩を飲み込み、岩を砕き、地を巻き上げる。

剣から発射された竜巻をやめると、炎を操っていた男は立っている。

が、操っていた炎、生み出した溶岩は消滅していた。


「はぁ…はぁ……。あれが噂の…」


片方が話し終える前に斬風が飛んでくる。耐えた男はそれを魔力壁で防ぐ。

単発ならばなんて事がなかったのだが、それが雨あられと降り注ぐ。

完全に防戦一方となる防ぎ続ける男。

風を操る男は顔色一つ変える事無く、守りに徹する男へ向かって竜巻を振り下ろす。

魔力壁が防ぐが竜巻は魔力壁をガリガリと削り、少しずつ少しずつ近づいていく。


「ぐぅ……ッ!!」


すぐさま炎の鞭を複数出現させ、竜巻を押し返そうとする。

しかし、その炎の鞭も他の竜巻が阻み、押し返せない。

そんな男へ風の極術師は再び、剣を構える。

その瞬間、その男の足元から溶岩が噴き出し、男を飲み込む。

あの風の鎧は足元が弱点。その攻撃は最大の防御であるが故に足元へ展開が出来ない。

そこを突かれた。


「油断したな!足元ががら空……」


しかし、溶岩は彼が纏う風の鎧によって阻まれる。


「な……ッ!お前のその鎧は足元が弱点のはず……!?」

「悪いが、足元をすくわれるのは先日体験しててな。それはもう対策済みだ」


不意打ちを防いだ男は別の風を足元に展開しており、それにより溶岩を防いだ。

完全な不意打ちすら防がれ、不意打ちをした男は驚きを隠せなかった。


「どうした?固まって。まさかもう終わりとか言う気か?

こんな日に炎の魔術で侵攻しておいて、それはないだろ」


対策をしていた男は驚く男へ向かって、何度も竜巻を鞭のように叩きつける。

魔力壁が防いでいるが、何度も何度も竜巻が叩きつけられる。


「ぐ……くッ!こうなったら……!!」


防ぎ続ける男の腕輪が光る。すると地面からいくつも溶岩が噴出し始める。

噴き出た溶岩は周りを飲み込み、どんどんと侵食していく。

そして、溶岩は形を変えて龍の頭部のような形を形成し、相手の男へと襲い掛かる。

それに対して、複数の竜巻が迎え撃つ。

溶岩の龍と複数の竜巻がぶつかり合い、熱風と斬風が当たりへ吹き荒れる。


「まだまだぁ!!」


龍を操る男は更に辺りを溶岩で飲み込み、まるで灼熱地獄のように形成する。

そして、その溶岩から炎が噴き上がり、竜巻を生み出す男へ向かって行く。

が、その炎は風の鎧に阻まれ、削り飲み込まれていく。


「絶対熱界だった…か」

「……これが俺の大魔術よ。あらゆるものを焼き尽くし、飲み込む。

貴様の風も焼き尽くしてやる!」


溶岩から今度は巨人の手のようなものが出現し、相手へと叩きつけられる。

が、巨人の手は途中で削られ、吹き飛ばされる。


「何……!?竜巻も何もな………いや、違う。これは絶界風域……!?」

「……あいつの後任だ。これぐらいは打ち破って貰わないと、な」


先程まで拮抗していたはずの溶岩の龍も削られ、きざまれ、吹き飛ばされる。

溶岩を削り取られ、木は切り刻まれ、それらと土や岩が宙を舞う、

あたり一帯がまるで巨大な斬風の竜巻に包まれたかのような状態になる。

攻撃しようにも、さっきのように溶岩から出現する炎は出現と同時に

風に飲まれて消えていく。溶岩の龍も再び、形成しようとしても形を成す前に

飲まれていく。


「こ、これは……!?」

「どうした…?この程度突破してみろよ」


再び、竜巻が鞭となって攻撃をつぶされ続ける男へと降りかかる。

不意打ちも封じられ、切り札も相手の大技に飲み込まれた。

まさに万事休すと言った状態になる。


「く………。何をそんなにイラついている?…さてはあの殺された炎の魔術師が

頭をよぎるのか?俺の炎を見てるとよぉ!」

「………何が狙いだ。まさか、自殺願望でもあるのか?」


一方的に蹂躙する男の通信機から音が鳴る。

それを聞き、一つだけ嫌な可能性が頭をよぎったが、とにかく通信機を起動する。


「なんだ、どうした?」

『すまない、私のミスだ。お前のいる位置と真逆の方向により強力な魔力反応と

強大な破壊規模が起きている。そこの男は囮だ!!』

「………わかった、こいつを処理してすぐにそっちへむか…」


言葉を遮るように炎の槍が飲み込む風を突っ切り、風の鎧へ襲い掛かる。

が、風の鎧によって炎の槍は防がれる。


「行かせるわけないだろうが!兄さんの、ヴォルカ兄さんの邪魔させねぇ!」

「ヴォルカ……だと。お前がヴォルカではないのか」

「いつ俺が兄さんの名を名乗った。お前の勘違いだっての!」

「………。そうか、お前の首を手土産にお前の兄に会いに行ってやる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ