進化
「て、天使様になられたのですぞ!」
「ぴ、ぴえ~⁉」
俺は自分の姿を確認した。体は小さいな。こどもみたいな体形だ。俺は全身黒いヒナだったのだが毛が無くなっていた。その俺の背には黒い羽が2対ある。顔は分からない。川に行って確かめる。
ふむ。俺の肌は浅黒く、ダークエルフのような、かなり整った顔だった。昔の顔は見たら誰もが恐怖したのだがな…しかし顔が魔物ぽくなくて良かったな。
「か、怪鳥様、わしの錬金術は魔物の持つ強くなりたい姿に影響されますですじゃ!明確なイメージが無ければ進化なりませぬ。そのお姿は人の形をしておりますじゃ!いったいどういう事ですじゃ?」
「くえ、、ごほごほ」
言葉を発しようとするのだが初めての発声は難しいものだな。
「か、怪鳥様は喋りたいのですかな?」
「くえ」
「怪鳥様は、進化したばかりですのでまだ難しいかもしれませぬ。魔王石をいじった時に感じたのですが魔力が少ないのですじゃ!魔王石があれば強力な進化が出来るのですが、経験値を得れば少しずつ成長出来ますぞ!」
骨が言うには成長する事により喋れるようになるらしい。うーむ。俺は人化してむしろ弱くなったんじゃないだろうか。…完璧な人化には経験値を得て成長するしかないらしい。
「く…え!っ」
俺は黒いヒナの姿に戻った。
「え!?元の姿に戻れるのですかな!?」
うーむ。経験値か…目の前にいるな。とりあえずコイツ殺っちゃおう!
「くえくえくえっ!」
「いたいですぞおおおおっ!」
ヒナも参加する
「くえくえくえっ!」
「ぴえぴえぴえっ!」
「がっがっがっ!待って下さいですじゃ怪鳥様達!は、話を聞いて欲しいですじゃ!」
「くえ?」
「怪鳥様は経験値が欲しいのでしょうが!わしは死んどりますから経験値なんて入りませぬ!肉もないから食べて魔力もつかないのですぞ!」
そうか。うっかりしてた。うざかったからついね?
「か、怪鳥様!わしを仲間にして下され!いや、仲間ではないですじゃ…配下!そう配下にして下され!いずれ魔王様の意思を継ぎ、魔王になって神めを倒して下され!」
「くえ!」
俺は当たり前だ!と言った。癪だがこいつとは目的が一致しているな。ていうかコイツ魔物に服従されたいってやべーな。しかし何かの役に立つ…のかもしれない。
「か、怪鳥様は奴隷紋が使えるようになったはずですじゃ!それでわしを奴隷にして下され!」
なに言っちゃってんの?この骨!
「くえ…」
「奴隷紋を使えば、か、怪鳥様の命令には逆らえないようになりますですじゃ!わしは例え火の中を歩け!崖から飛び降りろ!と言われても逆らえないのですじゃ!」
「くえ!」
ほう。おもしろい。俺は割と良いスキルが使えるようになったみたいだ。俺は魔力を右羽に宿し唱える!
「くえ!」
奴隷の魔法が骨に刻まれる。試してみるか。ファイア!
「くえ!」
「えっ?」
「あぎゃーーーーっですぞーーっ!?」
お、避けないように念じたら奴隷紋が発動したぞ!これは便利だな。骨はこんがり焼けた。
「か、怪鳥様ひどいですぞ!」
もっと試してみようか!と魔力を羽に集めると
「ど、奴隷紋は間違いなく逆らえないようになっておりますから心配しないで下され!そ、そんな事より話がありますじゃ!わ、わしは近くにある魔王石を感知出来るのですじゃ!近くに感じますじゃ!それがあれば進化出来ますじゃ!」
「くえ?」
「ぴえ?」
俺はヒナを見る。
「そ、そちらの怪鳥様も魔王石をお持ちのようですじゃが、もう一個が5キロほど先に感じますですじゃ!」
あー。…それはマイマザー食べた金色のヒナだな。ていうか奴にはちょっと関わりたくないな。
「くえ!」
俺は羽を×とクロスする。
「怪鳥様それはだめと言う事ですかな?もしや危険とかですかな?」
「くえ!」
俺は頷く。
「確かに魔王石は持てば経験値はより多く手に入り、進化出来るようになる特別な魔石ですからな。強い魔物が持っておるのかもしれませぬ。感知した感じでは…うむむ。怪鳥様より強い魔力を感じますな」
やはり奴は強い魔物になってきているようだ。
元々持っていた格闘能力に加え、感じた魔力も俺やヒナとは違うものの何かを感じるものがあったからな。奴は今の俺には強敵なのは間違いない。
「で、では仕方がないですじゃ。魔物を倒して経験値を得ましょうですぞ!まずは少しでも強くなるためにザコを刈りまくるのですぞ!」
効率的にザコを倒す良い方法ないかな?お?閃いたぞ!俺は奴隷紋を発動した!
「クエ!」
「えっ?囮になれ?ファイアで一気に殲滅ですかな?えっ?崖の袋小路に追い込んで?えっわしは魔物を逃がさないように戦え?えっ?まとめて殲滅する?」
奴隷紋は主の意思が伝わるようだ。
俺は骨を囮にファイアでスライムを刈りまくった。
「あぎゃーーーーっですぞーーっ!?」
骨は俺の奴隷になれて嬉しそうだ。
今の所、くえ!しか言えないので文字数が稼げませんw




