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ヒナ

「ぴえっ!」

「くえっ!」


ポテッポテッと俺達は木の上の巣から落ちた。


「ぴええ…」


茶色が俺を恨めしげに睨んでいる。


「…くえ」


うっかりしてました。生まれたばかりでした。飛べるはずなかったね!とテヘペロリ。しかし地面に落ちてしまったな。これは警戒すべきだ。しばらく辺りを観察していると


「ぴええ…」

「くえ?」


ん?茶色は何を…?ぐぅぐぅと聞こえる

…あぁ、腹がすいたのか。ひもじそうにしている。こいつは卵を食べなかったからな。とは言え俺も卵をすすっただけだ。食糧を探すしかないか。


「…くえ!」  

「ぴえ?」


茶色について来いとジェスチャーした。

俺達はとりあえず強い魔物に見つからないよう行動しつつ食糧を探す事にした。兄弟からほんの少し魔力を頂いたがスライムにさえ勝てるか怪しい。


「ぴえぴえぴえ♪」

「くえ…」


そうこうしていると茶色がなついてきた。後ろからじゃれついてくる。


あぁ、魔王がスライムに脅えるとは。そんな時草むらから何かが飛び込んできた。

…悪い予感は当たるな。


ぽんっぽんっぽんっ


とスライムが近ずいてきた。


「くえ!」


ただのスライムに安堵する。イエロースライムやストーンスライムなどから攻撃されれば麻痺や石化の異常をくらう。そんな奴に出くわしたら成すすべがない。


「くえ!」


先制攻撃をするが避けた。くそ。…なら!

 

「くえ!くえ!くえ!くえ!」


俺はスライムに4連の突きを浴びせてやった。


スライムに勝った。ふぅ。経験値が入る。


「くえ!」

「ぴえ?」


一応スライムは食べられる。無味だが。なのでとりあえず茶色に食べさせる。しばらくは俺もスライムで経験値を上げよう。





数週間が立った。

巣の近くは金色のテリトリーになっているようだ。俺達は巣から離れた川の側でスライムを狩って生活していた。その間にスキルが使えるようになった。


「くえっ!」


ファイア[小]である。そのお陰で離れた敵も倒せるようになっていた。 


「ぴえっ!」


茶色はウィンド[小]を使えるようになった。

攻撃力は全くないものの使い方によっては便利な風魔法だ。俺の魔法と相性もいい。


川の近くは食糧はあるが魔物や生き物が集まり危険と隣会わせだ。

俺は茶色と協力しなんとかやっているが、ギリギリな状況もあった。

今はよりよい狩り場を求めて移動している。


「ぴえっ!ぴえっ!」 


茶色は風魔法で川の魚を引き出している。

最近俺はこの茶色い雛に名前を付けた。

[ヒナ]だ。

安直すぎるかもしれないが一応名前はあったほうがいいだろうしな。


「くえっ!」

「ぴえっ!」


俺が川の魚を取っていると 


「ぴえ?」


ヒナがたくさん[骨」を拾ってきた。おいおい。なんの骨だ?って人骨じゃねーか!!


「くえっ!」

「ぴえ?」


そんな汚いものは捨てなさい!めっ!と言おうとした時骨は輝き出した。


「ぴえええっ!?」


輝き出した骨は魔力を帯び、カチャカチャと組み上げられていく。そして。


「やっと復活出来たようじゃ……ってなんじゃこりゃああああ!わし骨になっとるううううん!」


「ぴえええええええ!!!?」


骨が喋り出した。


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