第1話 プロローグ
初投稿です。
誤字や脱字があるかも知れません。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
この世界には多種多様の生物が存在する。
人間。獣人。エルフやドワーフなどの亜人。
妖精や精霊。
…そして龍。
龍はこの世界において他の追随を許さない最強の存在であり、大昔には世界を救ったという伝承もあることから人々からは信仰されている。
世界を救ったとされている龍は全部で
火龍、水龍、木龍、地龍、光龍の五体。
龍達は時折人里に姿を現わすが、普段は滅多に現れることはない。世界のどこかでひっそりと生きていると言われている。
♢
そんなある日、彼…火龍スカーレットは空を飛び自身の住処へと帰っていた。
彼の姿は全長50メートルほどで身体全体が鋭利な真紅の鱗で覆われており、翼もまた生物の頂きに君臨すると言われる龍の名に恥じない雄々しさだった。
スカーレットたち龍は、世界のバランスを保つため増えすぎた魔物などを時折討伐している。
その討伐も終わり帰っていたタイミングでふと何か悲鳴のようなものが聞こえた気がしたので下を見下ろすと森の中で魔物に襲われている馬車の集団を見つけた。
襲っているのはアングリーベアという熊の魔物だ。普段は人を襲うことなどないが一度怒らせると目に付いた生物全てに攻撃を仕掛ける恐ろしい魔物である。
何もしてなければ見逃すのだが、今は人が襲われているためスカーレットは一気に空から急降下した。
♢
ーリアー
「やっぱりあの時注意しておくべきだったわ。」
と、アングリーベアに襲われている時に私は後悔していた。
隣町から移動する最中の休憩時に、この馬車の主人が
「近くにある洞窟を見てくる。」
と言い、帰ってくるとその手には熊の子供がいた。
「魔物の子を見つけたぜ。こいつを従魔として奴隷商に売ればしばらくは遊んで暮らせるだけの金が手に入る。」
と笑みを浮かべていたのを見て、不安になった私は、その熊がアングリーベアだと気付いたのですぐに元の場所に返すように言おうとした。
だが、タイミング悪く自分の息子が目を覚まして泣き始めたためあやすことを優先してしまった。
するとその時だ。森から男の悲鳴が聞こえてきたのは。
「どうした!!何があった。」
と馬車の主人は声が聞こえてきた方向に向かって呼びかけた。そして返事の代わりにやってきたのは体長3メートルほどのアングリーベアだった。
そしてアングリーベアは自身の子供を見つけるとそれを抱えている男に襲いかかった。
突然の襲撃に護衛の人間達も準備が済む前にある者は引き裂かれ、またある者は噛みちぎられて殺された。
「うわぁぁぁ!!俺はまだ死にたくないぃ」
と言って、馬車の主人はあろうことかアングリーベアの子供を私の元に投げつけてきたのだ。
そして自身は走って馬に乗り、逃げていった。
アングリーベアは子供が投げられた方向…つまり私の方を向き、そのまま走って私に襲いかかってきた。
「くッッ!!」
私だけなら避けることも出来たが、後ろには子供がいる。避けれるはずもなく、私はその鋭い爪に刺し貫かれた。
もうだめだと思った時、突然辺りが暗くなった。
そして次の瞬間には地面が大きく揺れ、目の前の自分を貫いているアングリーベアの腕が切り裂かれた。
「えっ?」
わけもわからないまま、私は意識を失った。
投稿は不定期なので間の期間が長くなったら
ごめんなさい!
出来る限り早く投稿します。