20✕✕年 〇月△日 葉月広輔
星架が小学生の頃にクラブ活動で作った小説が見つかって、せっかくだから今の自分が、ストーリーはそのままで作り直そうということから始まったこの作品ですが、最後まで読んでいただけるとありがたいです!
暑くもなく寒くもない過ごしやすい秋の日暮れ頃、僕はあの子のことを思い出す。
今思えば全部嘘だったのかもしれない。
有り得ない話だし、あの子の言っていたことは矛盾していた。
十数年間一緒にいたあの子は、どんな気持ちだったのだろうか。
僕は、この数十年間はとても幸せだった。
大好きなあの子と過ごした十数年間。
そういえば、あれは一種の運命だったのかもしれない。
名前が対象的だったし、性格もほとんど真逆の人同士だった。
十数年前のあの子は、どんな風に僕を見ていただろうか。
僕は、まだ子供だった。
何を言っているのか分からなかった沢山の言葉。
どんな日であっても好きで好きでたまらなかった。
何年でも一緒に居たかった。
何十年でも、何百年でも、無限に。
あの子が飽きるまで、一緒に。
今でもあの子を探してしまう。
あの場所に、居るんじゃないかって。
今でもあの子のことを考えてしまう。
幸せに、できたのかなって。
やっぱり濃すぎたんだ。
あの日々が。
人生の比が不均衡だった二人の日々が。
非日常的な、日。
そう深く考えていると感傷に浸ってきた。
だから、あの日々を思い出してみることにする。
忘れたくない、忘れられないあの日のことを。
念の為に、いや、念の為も何も、忘れられるわけが無いからあまり意味が無いけど、書き記しておこう。
ー僕の彼女は不老不死でした。ー