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駅伝当日 スタート前
11月1日 5:00
起床時間は決められていなかったが、不思議とみんな同じ時間には起きていた。阿吽の呼吸。チームの一体感。そんなようなものだろうか。そして外に出ると各自でjog。メンバーは調整で軽めだが、それ以外の選手はこの県大会の翌週に行うタイムトライアルに備えて練習する。そこでいい走りをすれば入れ替えがある。自分たち3年生は入学以来一度も県駅伝でシーズンを終えたことはなかったので、関東駅伝に備えるのは当り前のことだった。
試合会場では他校の選手ともすれ違う。
朝にひろがる異様な張りつめた空気。青く晴れ渡る空とは対照的な重い空気だ。
個人のレースではない。負けたら3年生は引退。この試合結果で今日引退なのか、二週間後なのか、一ヵ月半後なのか、それが決まる。やり直しのない一発勝負だ。
6:30にミーティングと朝食。
この時監督が何を言っていたのかはほとんど覚えていない。ただ、なにか自信のでるような言葉だったと記憶している。
いよいよ、選手とともにスタート地点に向かう。
この3年間でやれることはすべてやった。あとは数時間後の結果を祈るばかりだ。