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勇者が家にやってきた  作者: 相川イナホ
7/16

私達の冒険はこれから…よ?


 「すまない。馳走になったのでお礼にと思って」


 すんでのところで静止に間に合った。し、心臓に悪い。


 まだ朝早い時間なので誰にも見られていなかったようだ。


 周囲のおうちの人達はフレックス制がある上場企業にお勤めのため帰りは遅いが、出勤もゆっくりでまだ起きていないらしい事なのが幸いした。


 さっきの騒ぎで母も兄も起きたようだ。図らずもダイニングに集合になっている。


 「び、びっくりした」


 この外人さんのお国では、狩りとかするのが日常的なのだろうか?

 有名な話で、某アフリカの国から来た外人タレントさんが、いまだに鳩を見かけると狩りがしたくなって腕が疼くという話をしていたが、それと似たようなものなのだろうか?


 「妹よ。彼はマジモンだ」


 私の考えを読んだかのように、兄が言った。

 

 「さっき、近い鍛冶屋はどこかと聞かれたんで鞘から抜いてもらって見たんだが、マジモンの剣だった。それに手の平から小さな炎を出しながら、『マナが薄い』と呟いていたのも見たぞ」


 「えっ?炎?マジで??」


 「マジだ」


 本当に? 本当なの?


 これはゆゆしき問題だ。


 しょんぼりしているコスプレ外人(勇者((確))を見て私達、兄妹はお互いに頷きあった。


 「とりあえず、お礼とかいいから、朝飯にしよう?」


 兄は笑顔で彼を昨日の椅子に座らせた。

 お腹がすいてはいい考えが浮かんでこない。



 「「いただきます」」


 彼もマネして言う。律儀な性格のようだ。




 「ほら俺が読んでて、母さんに貸した本にあったろ?異世界転移もの」


 さすが私達兄妹の母親というべきか。

 母はあっさりと現状を受け入れた。

 というか、その手の本、読んでたの? 母さん。


 「こんな話、誰も信じないでしょうね? でも久々に亮介が他人と積極的にかかわろうとしているんだし! 全面的に応援するわ!」


 箸の使い方に苦労している勇者(確)を見ながら母は言った。

 適当だなぁ。でも愛がある!兄に対して。



 「とりあえず、食べながらでも自己紹介しようか。俺は来宮亮介。ちょっとした病で休職中なんだ。君の事は暇な俺が、こっちの世界に慣れるまで面倒をみよう」



 「私、妹の来宮くるみ。大学生よ」


 「二人の母親の来宮梓よ」


 「俺は、レンだ。こっちの世界って?」


 来宮家の挑戦がはじまった。



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