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勇者が家にやってきた  作者: 相川イナホ
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世の中が無理ゲーな件

ちょっとした気分転換の作品です

暴言が数多く出てきますので、苦手な方は、勇気ある撤退でお願いいたします。

 とかくこの世は生き難い。


 公園デビューしてみれば、おもちゃを取られ、仲良しを取られ、ブランコの順番は回って来ず。


 学校にいけば学園カーストの下部で、見下ろされ。


 受験勉強を必死で勝ち抜いて大学デビューしてみれば、勝手に世は美人コンテストにエントリーしてくれる。


 勝手に人を許可なく評価してくれるなってんだ。


 美人じゃなきゃ空気吸うなとでもいうのか、こんにゃろ。



 合コンの席で、あからさまにはずれって顔すんじゃねぇよ。

 スマホいじりやがって、そんなに会話したくないってか?

 おめーだってハズレじゃんか。ハズレ仲間としての仲間意識ももてないのか!


 残念だったな! 某女性誌によると、合コンにかわいい娘が「かわいい娘連れてくるね」は「私の引立て役連れてくるね」と同意語らしいぞ!


 ヤンノカ? 喧嘩売ってんのカ! ヤッテヤルゼ!


 私は黙って、から揚げを箸で口に運んだ。


 イケメンのあの彼と、かわいいあの娘は楽しそうに盛り上がり、そこそこ楽しそうなグル―プもいるが、私はせっせとメニューをローリングだ。



 ああ、お腹いっぱい。この瞬間だけは幸せな気分になれる。



 2次会に移るサークルの人達を尻目に「用事があるから」

と家方向へ歩きはじめる。

 まぁ、そこは気遣いスキルを発揮してもよかったが、人数がねぇ?

どうみても余るじゃん?女の子一人。


 コミュ障で、空気読めなくても、単純な計算です。


 ハイ。ごちそう様。

 今日は誘ってくれてありがとう。料理はおいしかったさ。

 邪魔ものはこのあたりで退散させていただきます。

 

 あとはリア充達でがんばっておくれ。


 途中までは私も気分よく飲んでたさ。

 遅れてきたアイツ(スマホ男)が私の前に座る前は。


 あんたさ?そんなんで社会人になってやってけんの?


 社会は美人のみで回っているに非ず。


 美人としか仕事しないつもりなの?

 タイプじゃなきゃ話すらしないで生活していくつもりなの?


 まったく天気の話すら出来ないだなんてどういうつもりよ?

 それとも「俺と話しするとブスは皆オレに惚れるとでも思ってんの?」


 それこそ m9(^Д^)プギャー だね。


 暗い夜道を笑顔の仮面をはずして歩く。

 今の私は般若のような表情をしているだろう。


 すれ違った、酔っ払いサラリーマンの一人と腕がぶつかる。


 「ごめんな。おねーちゃん」


 赤ら顔で中年のふつーのオッサンが、謝りながら私の顔を覗き込んだ。


 「なんだブスじゃん」


  怒髪天した!


 なんだ!このやろ。他人の美醜にあれこれ言える立場か!お前は!


 連れのサラリーマンがあわてて謝ってくる。


 「すみません。失礼なこと言って…この人酔っぱらっていて」


 酔っぱらっている事が免罪符にはならんと思うけどね?

 私は心が広いから我慢してやるわ。

 

 友人は私のことをこう呼ぶけどね。


 「ゴビ砂漠のような心の持ち主」


 ま、褒めてないよね。そしてカッサカサだよね!




 世の中クソだ。




 アレなセリフが多いが、私、来宮くるみは大人しいと分類される人間だ。

 

 少しばかり中身が残念なのは自覚している、が後悔はしていない!


 そんな私の心のオアシスは ネットゲームだ。

 ネットの中ではコミュ障も何も関係ない!


 ログイン時間の多さと、タイピングの速さ、攻略サイトの隙間ない検証とバイト代をつぎ込んだ課金で上位に食い込んでいる。


 ゲームをしている時だけはアイムチャンピオン!アイムウィナー!な気分だ。


 キャラデは変幻自在。美人にも不細工にも老若男女、種族だって変えられる。


 軽やかに平原を駆け巡り、ちょっとした障害物は軽やかにジャンプ!


 大魔法をぶっぱなし、剣で切っては投げ、投げては切り。


 ああ爽快。




 スカっとするぅぅうぅ!



 ゲームの中に住んでるような連中の中には、私みたいな人間もいると思う。


 世の中生きにくいよねー


 それに比べれば、ゲームの世界は単純明快。


 経験値をあげ、スキルを磨き、レアアイテムを集めて、無双状態。


 こんなに楽しい事、やめられる?


 答えはノーだ!


 だって現実なんてノットファインだ。


 この経験値で、このパラメーターで、この装備でどう戦えっていうのさ? 


 もう一度言う!


 世の中クソだ!



 

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