とにかく好きな事を(自由意思と可能性)
しょっぱい人に読んでほしいですね。それで甘味を引き出して欲しいです。
息子には小さい頃から「とにかく自分の好きな事をやりなさい」
と教えてきた。
私はその言葉の意味の重大さに思いを巡らすことは無かった。
何故なら普通の子ならスポーツ選手や歌手、悪くて芸人だと思っていたから。
私も親にそう言われてミュージシャンを目指し路上ライブ等をやりバイトで
生計を立てていたが彼女に「定職に就いて」と言われ今は建設会社の課長だ。
息子がおかしい事をし始めたのは小3の頃 「お父さんカエル捕ってきて。解剖するから。」
とか、こっそり雄猫の精子を採取したりしていたようだ。
私立の中学受験できる学力だったが、自由な気風の公立中学に進むように言った。
部活では野球部に入ったが坊主が嫌だと言い三か月で辞めてしまった。
勉強もしなくなり成績はオール2 体育に関しては1に近く私が学校に呼ばれたほどだ。
高校に進学したがそこでも成績が芳しくなく大学生の女の家庭教師をつけた。
どうやら私が手出しすると物事が悪い方に進むようでその女性に子供を息子が孕ませてしまった。
慰謝料を払って堕胎してもらったが私はともかく息子の落ち込みようは心配だった。
ところが息子はそれから生まれ変わったかのように勉強しとある大学の医学部に現役で合格した。
今28だが心臓外科の部長だ。
彼が30の時 心臓に難病を抱えている少年が病院に来た。手術しなければ余命一年と。
息子が執刀させてくれと院長に頼み込みそして無事難しい手術を成功させた。
アメリカの医学誌に真っ先に取り上げられ今アメリカの病院で働いている。
ジェネラリストを目指して。
息子は「この世に生まれるはずだった子供のために」と言いその十字架を背負って生きている。
私は人生は本当に分からないものだと思ったが、父の教え、私の教えはリスクはあったが間違っていなかった。今はそう思うことにしている。
若干医学的公証に欠けるが一応童話という事で簡略化しました。