Program2 ルーチェ=戦闘訓練
11時から0時の一時間の間に執筆。
とてもよく出来ました。やっぱ私って夜型なのかな~。
少年は、虚ろな眼で天井を仰いだ。
歳は十代ほど、白銀の髪をぼさぼさに伸ばし、華奢な身体に、素足に黒の半ズボン、胸から下までの布が無いワイシャツという、何とも寒々しい身なりをしていた。
少年は広々としたコンクリートで作られた部屋に佇んでいた。
一人と、数十体で…、
少年の周りには異様な姿をした獣たちが、唸り声を上げていた。
体長はみな5メートルほどで、ライオンの顔に蠍の尾を持つ物、鳥の羽に狼の顔を持つ物など、多種多様な怪物達が、少年を取り囲む。
少年は音を立てて唇を舐めた。怪物達も唾をじゅるりと飲んだ。
やがて、
「ぐぎゃぁぁぁぁああああああ!!」
怪物達が雄叫びを上げ、少年に襲い掛かった。
最初の一匹、鰐の顔と熊の腕を持った怪物が少年に噛み付こうとした。少年は自分の背丈の何倍もの高さを飛び跳ね、壁に足をつけた。
それと同時に、少年の爪が、少年の掌から肘までの長さまでに伸び上がり、鋭い鈎爪となった。
少年は壁を蹴り、空中で回転し、鋭い刃物のような鈎爪を怪物の首に通した。
鈎爪は怪物の肉と骨をいとも簡単に断ち切り、血飛沫と首が勢いよく飛んだ。
鳥の羽と狼の顔を持つ怪物、ライオンの顔と蠍の尾を持つ怪物が同時に少年を襲いだした。
狼の牙と蠍の尻尾が少年の身体をえぐり取ろうとした刹那、狼の顔、蠍の尻尾が輪切りにされ、肉塊がボタッ、と音を立てて床に堕ちた。
その時少年は、二匹の怪物の後ろで、爪に着いた血を怪物の羽で拭いていた。
まだ生きていた尻尾の切れたライオンの怪物が、また後ろから少年に飛び掛かる。少年は身体をズラし、難無くそれを避けた。
ライオンの怪物は、地に足を付けた瞬間、身体がバラバラになり、ブロック肉となって狼顔の怪物の後を追った。
さらに少年は身軽に動き回り、死体の山を築き上げる。心臓を一突き、全身を切り刻んでの大量出血。
怪物達はなすすべも無く、自分達より小さな、細身の少年によってその生命を散らしていく。
白銀の髪を朱に染めた少年は、ただひたすら、
何も分からず、
何も知らされず、
何も思わず、
何も考えず、
ただ、その長い爪で怪物達を殺していた。
「…………」
しばらくして少年は動きを止め、回りを見渡す。部屋を満たしていた怪物達の阿鼻叫喚はもう聞こえず、部屋に沈黙が下りていた。
少年、ルーチェの回りにはいつの間にか、怪物の死体で埋め尽くされていた。
あ~疲れた。
感想待ってまぁ~す。