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Program1 カレン=プレゼンテーション

長らくお待たせしましたぁつ!!

「青空のルーチェ」、ついに一話だせたよぉぉお!!

皆様、ぜひ読んでくださ~い!

カレン・ヴァーミンガムはモニターを見て、思わず笑みを零した。

自分の今居る会議室を見渡すと、全員が驚愕(きょうがく)の表情を浮かべていた。


無理もない。こいつは私の最高傑作(さいこうけっさく)なのだから。驚かない(やつ)がいたら、会ってみたいくらいだ。


しかし、私もここまで動くとは思わなかった。予想以上のパフォーマンスを見せている。研究は成功だ。これなら所長も首を縦に振るだろう。


隣で気持ちわるそうにテーブルに突っ伏している自分の助手はほおっておき、カレンはモニターに目を戻した。


しばらくして、モニターから映像が消え、部屋の明かりが付いた。カレンは布製のモニターを天井に戻し、プロジェクターの電源を切った。


会議室内は細長い楕円の形をしており、U字のテーブル以外、何も無い部屋だった。テーブルでは十数人気の科学者達が呆然と座っていた。


「どうでしょう、皆様。私の最高傑作の力は」


会議室にカレンのよく通る声が響く。

その後カレンは、自分の『作品』のプレゼンテーションを始めた。


「先程の映像は、私の開発した最新型の人造人間(ヒューマノイド)、“E,07”の通常訓練のリアルタイム映像です」


それを聞いた瞬間、会議室がざわめき出した。


「カ、カレン博士、あれでっ、あれで通常訓練なのですかっ!!」


「ええ、そうです」カレンはそんなの当然だとでも言うように、冷静に答えた。

それを聞き、ざわめきが大きくなった。

手応えあり、そう確信したカレンはプレゼンテーションを続けた。


「皆様のお手元の資料にもあるように、“E,07”は従来の人造人間(ヒューマノイド)と比べ、戦闘能力、治癒能力、生命力などが何倍も高くなっており、全てにおいて圧倒的な能力(スペック)を持ち合わせております。しかし、まだ造りたてでとても未熟なので、あのような通常訓練を(おこな)ってさらに強化させているのです」


全員が嘘だろ、といいたげな顔をし、隣の科学者達と顔を合わせあった。

その中で一人、U字テーブルの中心に座っている、白い髭を蓄えた白衣の老人は、

「ほお、アレでまだ『未熟』ですか…」

と、言いながら冷静にコーヒーを飲んでいた。


カレンは長い金髪を整えながら、

「ええ、まだ『未熟』です。所長」

と答えた。


『所長』と呼ばれた老人は、老眼鏡を使って資料に軽く眼を通し、カレンを一瞥、


「カレン・ヴァバーミンガム博士、この資料貰っておきますよ」


今日はお開きです、と言って、コーヒーカップと資料片手に老人は立ち去っていた。


「はい」


カレンと助手は立ち上がり、軽く一礼した。

その中、カレンは心の内で勝ち誇った。

所長が資料を持ち帰ったと言う事は、今までの経験上、可決される可能性が非常に高いということだ。

他の科学者達も続々と会議室を後にしていく。カレンは会議室の掃除を助手に任せ、足速に会議室を出た。


(あいつのお陰でまた出世しそうだ。マグロでも持ってってやろう)


カレンは出世した自分の姿を思い浮かべ、思わずニヤけてしまった顔を隠す。


(待っていろ、私のかわいいルーチェ…)


カレンの靴音が、真っ白な廊下に響き渡ってこだました。

感想、お待ちしてますッ!!

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