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最強皇女とよばないで  作者: 岩春象


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プロローグ


「レイシは必ずあのいけすかない国にあるはずだ!今宵どんな手をつかっても手にいれるんだ!わかったな⁉︎」


「かならず手に入れて参ります。国王陛下。」


ヴィーレン国騎士団長は国王陛下の名によりおよそ4万人の騎士を連れて、ウェールヌス帝国へ旅立った。


◇◇◇◇


ウェールヌス帝国に着いたヴィーレン国騎士団長は、すんなり帝国の側まで来れたことに少しの疑問を抱いていた。

「今、砦に着きましたが帝国軍のやつらは見当たりません。簡単に帝国の中に入ることができました。あいつら我々の存在に気づいていないんじゃないでしょうか?このまま侵入する許可を!」


「落ち着け、副団長。罠の可能性もある。砦の中を詮索し、都度状況の報告を。」


わざわざ目立つように副団長が大軍を率いたのにも関わらずバレていないはずがない。帝国は何を考えているんだ?


「副団長、なにも問題がなさそうだったら我々も行軍しようと思うが状況はどうだ?なにか発見したか?」


「....」


「どうした?返事をしろ!」


「それは難しいと思いますよ」

「だれだ!」


「皆様先に逝かれましたわ」


「な、なにをしている!こいつをやれ!!」


「....」


なぜ誰も返事をしない。


なぜ誰一人として気配がない。


——この少女は、いつからそこにいた?


「申し訳ないのですが、全滅させよとのお達しなので

お探しの方々はもうこの世におりませんの。今日中に終わらせたいのであなたとももうお別れですね。さようなら」


グサッ


◇◇◇◇





帝国暦962年、歴史を動かす戦争が起こった。

後に一夜戦争と呼ばれる。


敵国軍およそ4万人が一夜にして全滅した。この戦争の詳細はそれぞれの国の上層部しか知らない。

故に、新しい兵器が導入された、帝国軍数十万人が出兵した、人の皮を被った化物がいたなどという根も葉もない噂が囁かれていた。


帝国民は恐れていた。


数十万人どころか1人の兵士を見たものはいなかったからだ。戦争の兆しもなく、いつも通りの日常を過ごしていたにも関わらず、ある日突然皇帝陛下による勝利宣言がもたらされた。混乱に陥った中、道の真ん中を颯爽と歩いている少女がいた。異質な空気を纏う少女の存在に気付くものはただの1人もいなかった。


その少女こそが始まらぬうちに戦争を終わらせた化物である。



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