第95話 国家貢献指数改定案
国家制度が変わるとき。
---
それは
静かな場所では
決まらない。
---
決まる場所は。
---
議会。
---
中央議事堂。
---
石造りの巨大な建物。
国家の政策が
ここで形になる。
---
その一室。
---
政策委員会会議室。
---
NEAから提出された
資料が
机の上に並んでいた。
---
タイトル。
---
**国家貢献指数改定案(第一次案)**
---
議員たちは
資料をめくる。
---
「余白層?」
---
「挑戦枠?」
---
「失敗を
制度化?」
---
ざわめき。
---
その中心に
レオンが座っている。
---
彼は
静かに資料を読んでいた。
---
「議員」
---
隣の補佐官が
小声で言う。
---
「この制度」
---
「議会では
反発が出ます」
---
「当然だ」
---
レオンは
資料から目を離さない。
---
「国家予算の
三パーセント」
---
「挑戦枠」
---
彼は
小さく息を吐く。
---
「政治家は」
---
「確実な成果を
好む」
---
「失敗枠など」
---
「支持率を
下げる」
---
補佐官は
うなずく。
---
「では
反対しますか?」
---
レオンは
少しだけ
考えた。
---
会議室の向こう。
---
リーネが
官僚席に座っている。
---
彼女は
静かに
資料を見ていた。
---
視線は
議員席には
向いていない。
---
制度だけを
見ている。
---
レオンは
小さく笑った。
---
「……面白い」
---
「議員?」
---
「政治家は
結果を求める」
---
レオンは
資料を閉じる。
---
「だが」
---
「国家は
未来を作る」
---
補佐官が
驚く。
---
「まさか」
---
「この案を
支持する?」
---
「まだ
分からない」
---
レオンは
ゆっくり立ち上がる。
---
委員長が
会議開始を告げる。
---
「国家評価制度改定案」
---
「審議を
開始します」
---
議員たちの
視線が
NEA席に向く。
---
委員長が言う。
---
「まず」
---
「制度設計者から
説明を」
---
リーネが
立ち上がる。
---
議会。
---
政治家たち。
---
制度を
決める場所。
---
だが。
---
彼女の声は
静かだった。
---
「国家貢献指数」
---
「NCIは」
---
「国家を
効率的にしました」
---
議員たちが
うなずく。
---
「しかし」
---
「効率だけでは」
---
「未来は
作れません」
---
議会の空気が
少し変わる。
---
「本改定案は」
---
「効率を維持しながら」
---
「未来投資を
制度化するものです」
---
資料を
めくる音。
---
そして。
---
一人の議員が
手を挙げた。
---
「質問」
---
「どうぞ」
---
「この制度」
---
「失敗した場合」
---
「誰が責任を
取る?」
---
会議室が
静まり返る。
---
それは。
---
政治の
最も重要な問いだった。
---
リーネは
静かに答える。
---
「制度です」
---
議員たちが
顔を見合わせる。
---
「制度が
責任を持つ?」
---
「はい」
---
「挑戦は」
---
「国家政策として
承認されます」
---
「失敗は」
---
「制度の一部です」
---
ざわめき。
---
議員たちが
議論を始める。
---
レオンは
その様子を
黙って見ていた。
---
そして。
---
小さく呟く。
---
「……なるほど」
---
「面白い戦いだ」
---
国家制度改定。
---
その戦場は
会議室から
議会へ移った。
---
そして。
---
ここからが
本当の政治だった。
本話もお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、
ブックマーク や 評価 をお願いします。
応援が励みになります!
これからもどうぞよろしくお願いします!




