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無能扱いで追放したら、勇者パーティが半年で崩壊しました 〜装備も補給も撤退判断も全部俺がやってたと気づいても、もう遅い〜  作者: 芋平


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90/113

第90話 数値の裏側

 会議は、

 一度中断された。


---


「休憩を挟みましょう」


 戦略補正局長が

 静かに言う。


---


 官僚たちは

 席を立ち、

 資料を持って

 会議室を出ていく。


---


 リーネも

 立ち上がろうとした。


---


「少し」


---


 背後から

 声がする。


---


 エレナ・カストール。


 戦略補正局次長。


---


「こちらへ」


---


 案内されたのは、

 会議室の奥にある

 小さな部屋だった。


---


 窓はない。


 壁一面に

 画面が並んでいる。


---


 中央には

 一つの端末。


---


「ここは?」


---


「補正室です」


---


 エレナは

 端末に触れる。


---


 画面に

 計算式が現れる。


---


 NCI算出式。


---


 リーネは

 それを見て

 眉をひそめた。


---


「……公開されている式と

 違いますね」


---


「ええ」


---


 エレナは

 淡々と言う。


---


「公開されているのは

 骨格だけです」


---


 画面に

 新しい項目が現れる。


---


 **加重係数**


---


 その下に

 数十の変数。


---


 政策優先度。


 国家安全指数。


 外交圧力。


 資源備蓄。


---


 リーネは

 ゆっくり息を吐く。


---


「国家戦略ですね」


---


「そうです」


---


「そして」


---


 エレナは

 もう一つの項目を

 表示する。


---


 **緊急補正**


---


「これは

 公開されていません」


---


 係数が

 大きく変わる。


---


 都市のNCIが

 一瞬で

 上下する。


---


「災害」


「戦争」


「経済危機」


---


「国家は

 瞬時に優先順位を

 変えます」


---


 リーネは

 画面を見つめる。


---


「つまり」


---


「NCIは

 完全な数値ではない」


---


「ええ」


---


 エレナは

 静かに言う。


---


「数値は

 国家の意思です」


---


 リーネは

 小さく笑った。


---


「レオン議員は

 知っていますか」


---


「もちろん」


---


「彼は

 加重係数の強化を

 求めています」


---


「政治が

 直接数値を動かす」


---


「そうです」


---


 沈黙。


---


 リーネは

 画面を見つめる。


---


 数値。


 グラフ。


 補正。


---


 これが。


---


 国家の評価。


---


「……理解しました」


---


 エレナは

 少しだけ

 眉を上げる。


---


「何を?」


---


「レオン議員が

 なぜ余白を

 嫌うのか」


---


「なぜです?」


---


「余白は

 計算できない」


---


 リーネは

 端末を閉じる。


---


「数値が

 国家の意思なら」


---


「余白は

 国家の不確実性です」


---


 エレナは

 しばらく

 黙っていた。


---


 そして。


---


「……だから

 あなたを呼んだ」


---


 静かに言う。


---


「NEAは

 制度を守りたい」


---


「だが」


---


「政治は

 制度を使いたい」


---


 リーネは

 理解した。


---


 この場所は

 単なる役所ではない。


---


 国家の

 設計室だ。


---


 そして。


---


 そこに

 政治が入ってきている。


---


 エレナは

 端末を再起動する。


---


 画面に

 新しい文書。


---


 タイトル。


---


 **NCI改定案 議会提出版**


---


 リーネは

 目を細めた。


---


 そこに書かれていたのは。


---


 **余白係数の削減。**


---


 そして。


---


 **短期成果補正の強化。**


---


 レオンの

 提案だった。


---


 エレナは

 ゆっくり言う。


---


「これが通れば」


---


「国家は

 さらに効率的になります」


---


 一拍。


---


「そして」


---


「余白は

 制度から消える」


---


 リーネは

 資料を閉じる。


---


 静かに言った。


---


「なら」


---


「設計し直しましょう」


---


「余白が

 消えない制度を」


---


 会議再開の

 ベルが鳴る。


---


 リーネは

 席へ戻る。


---


 政治。


 数値。


 制度。


---


 すべてが

 絡み合っている。


---


 そして。


---


 その中心に

 自分がいる。


---


 レオンが

 こちらを見る。


---


 微笑んでいる。


---


 まるで

 次の一手を

 楽しんでいるように。


---


 国家制度改定。


---


 それは。


---


 ただの会議では

 なかった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

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