第67話 期待は、増える
成果は、
出ていた。
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「……よく
まとめたね」
上司は、
資料を
閉じて
うなずく。
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「大きな
問題も
なかった」
「判断も
妥当だった」
褒め言葉は、
静かだ。
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「……ありがとうございます」
リーネは、
頭を下げる。
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胸の奥が、
少しだけ
温かい。
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努力が、
報われた。
そう
思いたい。
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だが。
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「そこでだ」
上司は、
自然な流れで
続けた。
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「次の案件も、
引き続き
頼みたい」
当然のように。
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「……次も、
ですか」
「うん」
「流れが
分かってるのは
君だから」
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理由は、
合理的だ。
反論の
余地も
ない。
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「……分かりました」
声は、
少しだけ
低くなる。
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席に戻ると、
新しい
案件一覧が
届いている。
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「……増えてる」
数が。
責任が。
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「でも、
評価されてる
証拠だよ」
同僚が
笑って言う。
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「期待されてるんだ」
また、
その言葉。
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期待は、
減らない。
成果を
出せば
出すほど。
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午後。
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「リーネ、
これも
お願い」
「こっちの
確認も」
声が、
重なる。
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「……はい」
答える。
反射的に。
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気づけば、
机の上は
資料で
埋まっている。
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「……終わるかな」
小さく
呟く。
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だが。
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「終わらせられるよ」
誰かが
言う。
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その言葉は、
励ましだ。
でも。
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終わらせる
責任も、
同時に
渡されている。
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夕方。
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「……今日は
残ります」
自然に
そう
言っていた。
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誰も、
止めない。
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夜。
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「……期待に
応えたい」
それは、
嘘では
ない。
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だが。
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「……いつまで?」
自分に
問いかける。
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答えは、
出ない。
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期待は、
成果で
終わらない。
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成果は、
次の
期待を
呼ぶ。
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その循環は、
止まらない。
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リーネ・アルヴェインは、
その夜、
静かに
理解した。
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**期待とは、
達成しても
終わらない。**
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むしろ。
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達成した者にこそ、
次が
用意されている。
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それが、
評価の
仕組みだった。
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