表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能扱いで追放された俺、実はパーティが崩壊しないよう全部やってただけでした 〜戻ってこいと言われても、もう遅い〜  作者: 芋平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/56

第41話 折れた人、残った人

 圧力は、

 必ず結果を生む。


 それは正しさでも、

 間違いでもない。


 ただの、

 選別だ。


---


 港町の冒険者ギルド。


 掲示板の前で、

 一人の冒険者が立ち尽くしていた。


 ロイの、

 元仲間だった。


---


「……戻るよ」


 彼は、

 誰にともなく言った。


「評価、

 受けることにした」


 周囲が、

 一瞬静まる。


---


「悪い選択じゃない」


 誰かが言う。


「仕方ない」


「生活がある」


 理解の言葉が、

 飛ぶ。


 それでも――

 彼は、

 目を合わせなかった。


---


「……楽に、

 なりたかった」


 それが、

 本音だった。


---


 評価面談室。


 元仲間は、

 頭を下げる。


「戻ります」


 受付は、

 淡々と書類を差し出した。


「規定通りです」


「今後は、

 指示に従ってください」


 彼は、

 うなずいた。


---


 その日。


 危険度の高い依頼に、

 彼の名前が

 追加された。


 評価を

 取り戻すためだ。


---


 一方。


 ロイの班は、

 二人のままだった。


---


「……一人、

 減りましたね」


 エナが言う。


「はい」


「寂しいです」


「はい」


 それでも、

 ロイは

 引き止めなかった。


---


「正しい選択

 だったと思いますか」


 エナが聞く。


「彼にとっては、

 そうでしょう」


「私たちは?」


「……分かりません」


 正直な答えだった。


---


 数日後。


 事故が起きた。


 評価を

 取り戻そうとした班が、

 深手を負った。


---


「……」


 ロイは、

 報告を聞いて

 黙り込む。


 エナも、

 何も言えない。


---


「あなたのせいだ」


 誰かが、

 ロイに言った。


「断らなければ、

 彼は

 行かなかった」


 ロイは、

 静かに首を振る。


---


「それは、

 彼の選択だ」


「……冷たい」


「はい」


「でも」


 ロイは、

 はっきり言う。


---


「選択を

 奪う方が、

 もっと残酷だ」


 その言葉に、

 反論はなかった。


---


 一方。


 評価拒否者の中にも、

 戻る者が

 増えていた。


---


「……やっぱり、

 無理だった」


「家族がいる」


「嫌われるのは、

 きつい」


 それぞれの理由。


 どれも、

 否定できない。


---


 だが――

 残る者も、

 確かにいた。


---


「……私は、

 残ります」


 エナは、

 静かに言った。


「怖いけど」


「嫌われるけど」


「それでも、

 前より

 息ができる」


 ロイは、

 小さくうなずいた。


---


 その夜。


 俺とミレイアは、

 港町を離れる

 最後の夜を迎えていた。


---


「……結構、

 脱落したわね」


「はい」


「それで、

 いいの?」


「いいえ」


「え?」


「良くはありません」


 俺は、

 静かに言う。


---


「ですが、

 現実です」


「全員が

 降りられる

 わけではない」


「降りられないことが

 悪でもありません」


 ミレイアは、

 考え込む。


---


「……じゃあ」


「残った人は?」


「選んだ人です」


 それだけだった。


---


 視界の端に、

 文字が浮かぶ。


《同調残存率:低下》

《定着個体:少数》

《質:高》


(……十分だ)


---


 評価から降りる。


 それは、

 誰でもできる

 選択ではない。


 だが――

 できた者は、

 簡単には折れない。


 世界は、

 数を欲しがる。


 だが、

 壊れないのは

 いつも

 少数だった。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ