表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能扱いで追放された俺、実はパーティが崩壊しないよう全部やってただけでした 〜戻ってこいと言われても、もう遅い〜  作者: 芋平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/34

第34話 評価されなかった世界

 世界は、

 結論を出さなかった。


 それが、

 結論だった。


---


 王都では、

 辺境に関する議題が

 正式な議会に上がることはなかった。


 商会も、

 宗教も、

 国も。


 どこも同じ判断をした。


---


「……触れない方がいい」


 それ以上でも、

 それ以下でもない。


---


 評価できない。

 管理できない。

 だが、

 被害もない。


 なら――

 見なかったことにする。


 それが、

 世界の選んだ

 最も楽な道だった。


---


 一方。


 俺は、

 海の見える丘に立っていた。


 港町から

 少し離れた場所。


 風が強く、

 人も少ない。


---


「……結局、

 何も起きなかったわね」


 ミレイアが言う。


「はい」


「世界が

 変わるかと思った」


「変わっています」


「え?」


「気づかれない形で」


---


 彼女は、

 少し考える。


「それ、

 一番ずるいやつじゃない?」


「一番、

 壊れないやつです」


 彼女は、

 苦笑した。


---


 港では、

 船が出入りしている。


 英雄も、

 革命家も、

 乗っていない。


 ただ、

 働く人と、

 生きる人がいる。


---


「ねえ、レオン」


「はい」


「この先、

 どうするの?」


「分かりません」


「また、

 どこか行く?」


「はい」


「……止まらないのね」


「止まる理由が

 ありません」


---


 視界の端に、

 最後の表示が浮かぶ。


《記録》

《評価対象:なし》

《観測終了》


(……これでいい)


---


 世界は、

 英雄を欲しがる。


 分かりやすい敵も、

 劇的な勝利も、

 好む。


 だが――

 それがなくても、

 生きていける場所がある。


---


 評価されなかった世界。


 それは、

 何も変わらなかった

 世界ではない。


 ただ、

 変わったことを

 誰も

 記録しなかっただけだ。


---


「ねえ」


 ミレイアが、

 海を見ながら言う。


「もし、

 誰かが

 あんたのことを

 探しに来たら?」


「その時は」


 俺は、

 静かに答える。


「また、

 通り過ぎます」


「……ほんとに」


「はい」


---


 俺たちは、

 丘を下りる。


 名前も、

 役割も、

 目的もない。


 ただ――

 壊れない選択だけを

 手放さずに。


---


 世界は今日も、

 誰かを評価し、

 誰かを切り捨てている。


 それでも。


 評価されない場所は、

 静かに生き残った。


 誰にも知られず、

 誰のものにもならないまま。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ