表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能扱いで追放された俺、実はパーティが崩壊しないよう全部やってただけでした  〜戻ってこいと言われても、もう遅い〜  作者: 芋平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/112

第112話 余白という未来

 ヴァルト市は、

 変わっていた。


---


 人がいる。


---


 動いている。


---


 笑っている。


---


 それだけで。


---


 以前とは、

 別の街だった。


---


 整えられた市場。


---


 広い通路。


---


 流れる人の波。


---


 そして。


---


 止まらない。


---


 カイルが

 伸びをする。


---


「終わったな」


---


 軽い声。


---


 だが。


---


 少しだけ

 満足が混じっている。


---


 リーネは

 静かに言う。


---


「終わっていません」


---


「え?」


---


「始まっただけです」


---


 カイルが

 笑う。


---


「それ、好きだな」


---


 リーネは

 市場を見る。


---


 人が挑戦している。


---


 失敗している。


---


 そして。


---


 またやっている。


---


 それが。


---


 続いている。


---


「これが」


---


 小さく言う。


---


「制度です」


---


 止めない仕組み。


---


 壊れない仕組み。


---


 そして。


---


 人を縛らずに、

 動かす仕組み。


---


 担当官が

 近づいてくる。


---


「報告がまとまりました」


---


「NCIは?」


---


「安定上昇です」


---


 わずかに

 誇らしげな声。


---


「他都市からも

 問い合わせが増えています」


---


 リーネは

 うなずく。


---


「対応は後で」


---


「まずは」


---


 少し間を置く。


---


「この街です」


---


 担当官は

 深く頭を下げる。


---


「……ありがとうございました」


---


 その言葉に。


---


 リーネは

 少しだけ驚く。


---


 そして。


---


「こちらこそ」


---


 静かに返す。


---


 カイルが

 横で言う。


---


「いい感じに

 丸くなったな」


---


「うるさい」


---


 即答。


---


 少しだけ。


---


 空気が軽くなる。


---


 その時。


---


 通信が入る。


---


 端末に表示される名前。


---


 レオン・ヴァルディス。


---


 カイルが

 ニヤッと笑う。


---


「来たぞ」


---


 リーネは

 応答する。


---


「リーネです」


---


『報告は見た』


---


 低い声。


---


『結果は認める』


---


 短い。


---


 だが。


---


 十分だった。


---


『だが』


---


 一拍。


---


『これは一都市の例だ』


---


 リーネは

 うなずく。


---


「はい」


---


『国家に適用するには』


---


『まだ足りない』


---


 その言葉に。


---


 カイルが

 小さく笑う。


---


「まだ来るか」


---


 リーネは

 静かに答える。


---


「分かっています」


---


『なら』


---


『準備しろ』


---


 短い言葉。


---


『次は国家だ』


---


 通信が切れる。


---


 沈黙。


---


 そして。


---


 カイルが言う。


---


「スケール上がったな」


---


「ええ」


---


 リーネは

 市場を見る。


---


 人が動いている。


---


 挑戦している。


---


 失敗している。


---


 それでも。


---


 止まらない。


---


「余白は」


---


 小さく呟く。


---


「非効率じゃない」


---


 一歩踏み出す。


---


「未来です」


---


 ヴァルト市の風が吹く。


---


 それは。


---


 静かで。


---


 確かに。


---


 前に進む風だった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


この物語は、「ざまぁ」から始まりましたが、

書いていくうちに、少しずつテーマが変わっていきました。


評価されること。

効率を求めること。

正しさを突き詰めること。


それ自体は、間違いではありません。


ですが、それだけでは、

人は動かなくなる。


挑戦しなくなる。


そして、未来が止まる。


そんな違和感から、この物語は生まれました。


リーネが作ろうとしたのは、

完璧な制度ではありません。


失敗しても、続けられる仕組み。


つまり、

「余白を残す設計」です。


現実でも、

効率と余白のバランスはとても難しいと思います。


だからこそ、

この物語が、少しでも何かのヒントになれば嬉しいです。


そして――


物語は、まだ終わっていません。


次は「国家」。


さらに大きなスケールで、

この制度がどうなるのか。


もし続きを書くことがあれば、

またお会いできれば嬉しいです。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ