0話-プロローグ-
大幅改訂いたしました。
『建国以来きっての優秀な王太子』
そう呼ばれて来た王太子は容姿端麗、頭脳明晰のまさに完璧な王として将来を期待されていました。
勿論そんな彼も恋をします。
不幸だったのは恋に落ちた相手が婚約者と定められた姫君ではなかった事、よりによって彼は身分の低い娘と恋に落ちました。
――国を継ぐ身でありながら恋に落ちてしまった。
しかし彼は何処までも優秀でした。
あらゆる手を使い慣例として認められていた第二妃を議会で承認させ、誰とは書かれていないものの身分を超えた恋物語を書いた本は売れに売れ若い貴族達は好意的に認めました。
「私が一体何をしたと言うの⁈」
逆に隣国からやってきた気位の高い皇妃はプライドをズタズタにされ怒りました。
――子が欲しい、アレより先に
正妃の要望に、王子は悩みましたが最終的には受け入れました。
皇妃は願い通り妊娠し、次期王の誕生を心から願っていました。
しかし産まれたのは女の子。
女の子でも女王として即位した例もありますが運の悪いことに第二妃が半年遅れで産んだのは男の子でした。
皇妃は怒り狂い周囲に当たり散らします。
皇妃は自身の子・ソフィア皇女を徹底的に教育しました。
半年遅れて生まれた王子に負けないよう、できなければ体罰を伴う教育を許しました。
そして第二妃は暫くして、女の子を産みます。
女の子は第二妃様にそっくりで陛下も大変な可愛がりようです。
「おめでとうございます」
皇妃の代わりに持たされたお祝いの品を渡した幼い第一皇女は、久々に会った父に罰を与えられました。
祝いの品が隣国では不吉の象徴とされた置物だっからです。
一緒に持ってきた第二皇女用のおもちゃには悪いお薬が塗られていました。
母を庇うため,第一皇女様は黙り周囲はヒソヒソと噂話をします。
これは美しい恋物語の犠牲となった名も亡き皇女様の物語。