落書きと空
大嫌いな数学の時間。
隣の校舎の学習室まで行かなきゃいけないから面倒くさい。
夏は暑くて冬は寒い。
少人数の教室で、つまらない授業を聞く。
最悪、と思いながら自己学習に勤しむ。
そんな状況下の中、木製の机の隅に落書きを見つけた。
[今日の空は寂しそうだね。]
綺麗な字で、私には向かって書いてるみたいで、少し惹かれた。
「私の見てる空は笑ってますよ」
とりあえず隣に書いた字。
いつ、どこの誰かが記したものかわからないのに、返事を期待してしまう私は幼いと思う。
綺麗な字だから女の子かな、なんて想像しながら空とノートを交互に見る。
[空は不思議、私たちの表情のようにいつも違う。]
[君もそう思いませんか?]
次の週、元々書かれていた場所の文字が消され、新しく文が書いてあった。
返事を貰ったことが純粋に嬉しくて、ついニヤけてしまった。
「空は気まぐれですし、それがまた魅力の一つだと思いますよ。」
落書きを見る前は、空なんて気にしたことなんて無かった。
でも今は凄く好きなものになりつつある。
伏せてばかりの私が見た最初の空は、笑っていた。
気付かせてくれたのは、机に書かれたひとつの落書き。
無関心の私が興味を持った、たのもしい彼の、綺麗な字との出会いでした。
皆さんもこんな恋の始まり方、どうですか?
『落書きと空』を読んでいただき、ありがとうございます。
青春の些細なきっかけ…逢哉の恋はどこへ行ってしまったのか(T_T)
是非コメントしてください(・∀・)
乱文失礼しました。