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妖精憑きと導きの妖精  作者: 囲魔 美蕾
アルス五歳
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初めての魔法

 剣術の稽古 (してないけど) の後は魔法の訓練だ。これも演習場で行う。

 いきなりどかーんと魔法を使ってみたかったけど、やはり基本を大事にするティア。

「放出系の魔法は制御できる魔力を増やしてからです」

 と頑として譲らなかった。

 渋々地味そうな練習法を聞くと、魔力循環に限るとのことだった。やっぱり地味!

 ティアが言うには、僕は体力も体内魔力も多いから、走り続けるよりもその方が効率がよく、魔力のイメージも掴みやすいとのことだ。体力は多いんだろうなと思っていたが体内魔力も多いのか、僕。


 早速立ったまま目を瞑って瞑想をし、体内に魔力を循環させ始める。

 ランニングの時に感じた魔力の感覚を再び感じ取ろうと試みる。これにはサラッと成功。体内を何かが駆け巡っている感覚だ。制御できる魔力を増やすってことはこの巡っている魔力を多くすれば良いのだろう。線のような魔力を太く広げて巡らせるイメージをしてみる。おおっ、これはすごい。イメージ通りに魔力を流すことができたぞ。なーんだ、楽勝じゃん。

 ……なんて思っていた時期が僕にもありました。

「アルス様!はじめから飛ばしすぎです!」

 と言うティアの言葉を無視してどんどん魔力を増やしていった結果、とんでもなく気持ち悪くなって、おまけに頭が割れそうな頭痛に見舞われた。正直気絶した方が楽だったと思う。


 小一時間経ってようやく思考力が戻ってくると、ティアにしこたま怒られた。

 普通は魔力の線を一回り太くしたらそれを維持するトレーニングをしばらく続けるそうだ。僕はそれをすっ飛ばしてどんどんどんどんと魔力を上げていった結果、多すぎる魔力に体が耐えきれず魔力酔いを起こしてしまったみたいだ。これ以上続けていたら溢れる魔力で体が爆発してもおかしくなかったとか。怖い怖い。

 ランニングの時もそうだったけれど、調子に乗ってやりすぎてしまうのが僕の悪い癖だな。


 さて、無茶をしてやりすぎてしまったわけだけれど、それなりに意味はあったらしい。限界を超えて魔力を巡らせたおかげで、普通では考えられない量の魔力を制御できるようになったようだ。普通の五歳では、という意味ではない。常識では、の普通だ。すでに大人の魔法使いも超えているらしい。こんな状態で放出系魔法をぶっ放すのも恐ろしいので、むしろ弱い魔力を慎重に扱えるようになってからということになった。とほほ。

 まあコツはすぐに掴みましたけどね!放出系魔法を撃ってみたい一心で頑張ったのだ。なので剣術とは違って一日目にして魔法使いの一歩目に立つことができた。

 魔力を手の先に集め、一直線上に飛ばすことができたのである。威力のコントロールもなかなかで、人が死なないが吹っ飛ばせるだろう程度に調節できた。単純な魔法ではあるが、いきなりでこれとは。魔法って、そしてそれをここまで教えられるティアってすごい。

 ちなみにいつも通り“基本”なので属性のイメージはついていない。……無属性って本には載ってないんだけどなあ。



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