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妖精憑きと導きの妖精  作者: 囲魔 美蕾
アルス十歳
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授業:錬金術概論

 ロゼヴェリテがスリジエの屋敷にメイドとしてやってきて数日。


「今日は錬金術について、実践を交えて授業を行います」


 十歳になってもティアの授業は続いていた。この世界にはまだまだ知らないことがたくさんあるからね。なんでも知ってるティアの授業は大変ありがたいのだ。で、今日のテーマは錬金術だ。


 ティア曰く、錬金術とはとある物質を素材にして別の物質を作り出す、あるいは同じ物質のままで状態を変化させる技術のことである。詳しい人は前者を真の錬金術、後者を理の錬金術と呼び分ける。


 真の錬金術では、素材の組み合わせさえわかれば理論上どんな物質をも作ることができるという。例えば金属Aと金属Bを素材にして金属Cを作り出す。そうして希少金属の金や魔力を通しやすい魔銀(ミスリル)、魔銀よりさらに魔力を通しやすい魔金(オリハルコン)、魔力を通さないがとにかく硬い剛金(アダマンタイト)、果てには魔金と剛金の特徴を併せ持つ神金(ゴッダイト)なんていうものまで作ろうとしている。

 他には、飲めばたちまちどんな傷や病気でも癒してしまう霊薬(エリクサー)や、人造生命体(ホムンクルス)も真の錬金術の最高到達点だと言われている。物質や生命——自然の真髄を追究するのが真の錬金術なのだ。


 一方理の錬金術は、素材さえあればどんな形にもイメージ通りに変形させることができるらしい。木材を柱に、石をブロックに、鉄を剣にと、多方面で大活躍なのである。理とは整えること。素材を活かしつつ、状態を整えるのが理の錬金術の本質だ。


 ただ、錬金術は技術の一種であるため、使える人は使えるし、使えない人は使えない。

 真の錬金術の方は様々な道の学者が使えることが多い。どの組み合わせで何ができるとか、どうしたら体を治せるかとかがわかっていないと使えないのだろう。

 理の錬金術の方は、意外にも魔法使いがよく使う。イメージを形にするというのが魔法の発動方法によく似ているからかもしれない。というかこっちはだいぶ魔法っぽいな。一般に地属性と呼ばれる系統の魔法は地面などを変形させているわけだし、物質の変形という意味では同じだろう。


 両方使えれば便利なのにね。土の地面から鉄の棘を生やすことができたり、地面から魔銀の剣を作ることができたりしそうだ。……どうしても発想が戦闘寄りになってしまうな。いけないいけない。作った魔法薬を気体にして、嚥下できない人に吸わせたりとか我ながらいい発想なのではないだろうか。


 これがティアの言う錬金術に関する一般常識とそれに対する僕の感想だったのだけれど、ここまでの話を振り返ってふと思ったことがある。


 ……魔力から何かを錬金することってできないのかな。

お読みいただきありがとうございます。

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