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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

優しい兄と神話のおはなし

作者: 企画開発部



ーこれは天国でのお話ですー


空の上には

天使と呼ばれる背中に羽の生えた

人間と見た目がよく似ている人達がいるみたいです


その中でも ニケという男の子は

背中の羽をパタパタと動かして

空を飛び回ることが大好きでした


弟のエラも兄が空を自由に飛び回る姿を見るのが大好きでした


「ニケはカッコいいなぁ」


今日も空を飛んでいる兄につぶやきます


「エラも空を飛んだらいいじゃない」


「僕には、無理だよ…」


弟のエラはあまり運動が得意ではありませんでした


「それにボクの羽はニケのと違って小さいし…」


エラは自分の羽を見ながらつぶやきます


「そんなことないよ!練習!練習すればエラも飛べるようになるから頑張ろう!」


ニケがエラの手を掴んではばたく練習をします


いっぱい練習をしたエラは

ついに少しの間ですが飛行に成功します


「やった!やった!!」


自分は飛べないと諦めていたエラが喜ぶので

ニケもすごくすごく喜びました


それは そこから2週間後の出来事でした


ニケがエラに会いに行くと

いつもとは違う姿にびっくりしてしまいます


「どうしたの?」


「その…仕事で失敗しちゃって…」


エラの背中には小さな羽が切り落とされてしまっていました

エラは罰を与えられて羽を失ってしまったのです


せっかく飛べるようになったエラを可哀想に思ったニケは ある提案をします


「それじゃ、僕の羽を半分あげる」


「え?!ダメだよ!!そんなことしたらニケも空を飛べなくなっちゃうじゃん」


ニケが空を自由に飛んでいるのを見ていることが好きなエラはニケの提案を断ります


「大丈夫」


ニケは自分の背中の羽を片方とると

その羽をエラの左側にそっとかざしました


「ほら、手を繋いで?」


エラは言われるままにニケの左手を掴みます


二人が手を繋いで

ニケは右の羽を動かしエラは左の羽を動かします

二人が一緒に空へと舞い上がります


「僕にはエラが居てくれたら、どこまででも行けるから羽が片方しかなくても大丈夫なんだよ?」


「ごめん……ありがとう」


手を繋いだ二人は夕陽に向かって

どこまでも飛び続けます



おしまい

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