JCとクッキーと悩み2
続きです
「お邪魔します。」小声で挨拶をした。
奥から
「いらっしゃい! 人が来たからお出迎えして‼︎ ソファーで寝てるくらいだった客間に人を連れてこい!」
という中性的な声が聞こえその後
「お前のせいで客が帰ってしまうかもしれんぞ」というイケボ
というのにふさわしい声が聞こえた。
「どうせ帰れないから心配ない。さっさと客間に案内しろ!土間でどうしていいのかわからず立ち尽くしてんじゃねーか」
「はいはい。わかっておる。」
元気な会話が聞こえた。そして、スッと襖が開き焦げ茶色の髪の毛に昔の文豪のような服を着たイケメンが出てきた。
「靴を脱いでこちらの部屋へおいで」
と部屋に招かれた。
お邪魔しますと、靴を脱ぎ土間から上がりふすまの部屋に入った。
部屋に入ると暖かい色の光が迎えてくれた。床にはラグが敷かれていてその上に少し低めの机と人が寝っ転がれるサイズのソファーと二人がけのソファー、お誕生日席に一人がけのソファーが置かれていた。ソファーはどれも革製の高級感があるものだ。
左側は障子になっていて正面は床の間、右側は空いているふすまだ。紅葉と狐の柄だった。
ふすまの奥の部屋はカウンターキッチンと冷蔵庫が見えキッチンの向かいのスペースには低い机が置かれていた。その周りには座布団が敷かれていた。キッチンには不思議な雰囲気をまとう中性的な人がいた。髪の毛は白く肌も白い。私を見てニコッとした。思わず会釈をしてしまった。
イケボのイケメンは大きいソファーに寝転び好きなところに座れといわれた。なんとなく二人がけのソファーに座った。
中性的な人がクッキーとお茶セットを持ってきた。クッキーはアイスボックスのようなもので三種類くらいありどれも美味しそうでお茶セットは急須は白に秋色の柄がはいったものでカップとソーサー夜のは紅葉柄のものだった。
「神社には合わないけど紅茶飲める?ミルクもあるから遠慮なく使ってね。で、これがお茶請け、クッキーを焼いてみたんだ。アレルギーとかなかったら食べて」
と言い一人がけのソファーに座った。
「ありがとうございます。」といいミルクティーにしてクッキーを一つ食べた。
クッキーはサクサクホロホロでプロのものだったプレーンのクッキーだがバニラの香りが少しいてとても美味しい。ミルクティーも砂糖を入れてないのにほのかに甘くてとても美味しかった。
まさに心に沁みる味という感じだった。中性的なひとがハンカチを私に渡して
「ゆっくりでいいんだよ」といった。私は泣いてしまっていた。
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