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月曜日.1

月曜日なので 夜空を

見上げていたら

お月様が落っこって来たので 返しにいかなきゃ


タイムリミットは 次の月曜日まで

僕は 一人で泣きそうになったけど

君の明るさに救われたよ 少々 騒がしいけど


冒険に必要な水とパン お菓子は君は多いね

後は 勇気と度胸だねって君は笑うから


一人よりは二人 星灯りに見守れながら


僕らは夜を歩く 影が延びて 夜空まで届きそう


流れ星に道の先を示されて僕と君の冒険は続くよ



月曜日に降ってきたものを 月曜日までに返す物語





いつもの朝。いつもの日常。僕は朝起きるといつも一人。家族はいないし学校へ通ってもそれを原因にいじめられるから。


それでも僕は一人ぼっちの毎日の中で楽しみを探して暮らしていた。

絵を描いたり、読書をしたり。ぼっちピクニックしたり。

そんないつまでも一人なんだろうなと思っていたらそうは問屋が下ろさなかった。


いつもの学校での昼休み。僕は窓際で本を読んでいた。爽やかな風が窓から遊びに来てまた去っていく。授業から解放されたその時間は周りの騒がしさを忘れて、物語の世界に入り込めるから。

不意に風が吹いたのは、休憩しようと本から顔を上げた時だった。





「もう、またいつも一人だね君って」

いつものように学校の窓際の席で黄昏ていると元気で明るい声が聞こえた。



振り返ればそこにはクラスで人気者のアリアがいた。

明るくて可愛い。成績も優秀でクラスメイトからも慕われている。


「ああ、アリア。なんで僕なんかに話しかけているの?」

「あはは。おかしなこと言うね?クラスメイトなんだからいいじゃない。

挨拶だけするのも悲しいじゃない?悲しいよね?」

「う、うん」

アリアはそんなこと言うけど周りがざわついている。

そりゃ、クラスの人気者が僕みたいなぼっちで孤児院育ちの男に話しかけてるから。


しかし、アリアは僕の机に置かれている本を見て瞳を輝かせている。


「あ、ルナは物語好きなの?私も好き~♪どんな本読んでるの?」

「あ、うん。これだよ」

僕が読んでいたのは月を探しに行く物語。

実話を元にした物語でお月様が落ちて来たからそれを拾った女の子が返しに行く物語だ。



「あ、『自分達の物語』ね?私も好き!」

「あ、ホントに?それはなんか嬉しいや」

クラスの人気者が僕と同じ物語が好きなんだもの。それは嬉しいよね。


「何百年かにお月様が落ちてきて返しに行かないと行けないのよね~」

「そうだね。ホントにあったことなんだよね?」

「うんうん。私も冒険に出てみたいわ~」

「そ、そうなんだ。アリアさんは活発だからね」

「もう、クラスメイトにさん付けはいいって!でもそうね私は活発な女」

アリアは何故か胸を張る。出るとこ出てるので目のやり場に困る。


「アリアほど活発な人はいないわ」

「ルナくんもそう思うよね?」

遠巻きにしていたアリアの友達(二人とも美女)がいつの間にか輪に入って来た。流石リア充と言った所だね。


「え?うん、そうだね。明るくて活発。そしてお転婆…」

「うんうん、お転婆、お転婆……ん?それって褒めてな~い!」

アリアが僕の肩をぽかぽか叩くので肩こりが治った……冗談はさておき。僕にも友達が出来て世界に彩りが広がったんだ。


憧れの女子と登下校出来るのがなんだか嬉しくてこそばゆくて。




それを面白くおもつてないのもいる。クラスのいじめっこたちだ。



アリアたちといるから暫くは成りを潜めていたけどまた動き出した。


「おい。てめーはなんでアリアといるんだよ」

「ご、ゴンザレス」

放課後、学校を出たとこで呼び止められた。よく漫画やアニメで出てくるようなぽっちゃりな男の子。そして取り巻き。

困ったな。今日は僕一人だから。



「女といちゃいちゃしてうらや……なよなよしやがって」

「そうだそうだ。ゴンザレスはアリアにぞっこんラブなんだ!」

「だけど自分がいじめっこだから嫌われてるだろうなってへこみながらも毎日学校に来てるすげぇ奴なんだ」

「お、おい、お前ら余計なことを言うな!」

ゴンザレスは友達の二人を拳骨で殴る。痛そう。

「これこれ、これよ~!俺ちゃんこの拳に惚れたのよさ~!」

なんか変なテンションだな。まあいいやこの隙に帰ろうとした時だった。



つづく

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