表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第5話 降格処分

騎士団の敗走が王族貴族に伝わるのに、そう時間はかからなかった。

元より王族貴族は、賊など害虫程度にしか思っていない。

多少数が多くなったとはいえ、害虫駆除もできないのかと、騎士団の実力を疑問視する声が上がっていた。



賊の討伐に失敗した原因を、いつも以上に厳しく問われることになった騎士団は、作戦に参加した団員全員を招集した。


賊が事前に騎士団の奇襲を察知していたとは考え難かった。もし、事前に察知していたなら、罠を設置するなり、襲撃前に撤退するなり、別の策を講じたはずだ。


つまり、賊は騎士団が奇襲を開始した後に作戦を練り、反撃してきたのであった。

地の利は確かに賊にあっただろう。騎士団側が把握していない隠し通路が存在していて、それを使って騎士団の背後に回り込んできたのだ。

事前により入念な調査を行っていれば、隠し通路の存在に気付けたかもしれないが、100人以上の賊が潜む場所に潜入して情報を得るのは至難の技だろう。


賊による背後からの反撃を、もっと早く察知できなかったのか。

何のための探索部隊か。


探索部隊の1チームが、賊に遭遇して討伐したのではなかったか。


なぜ即座に報告しなかった。少数でなければすぐに連絡をするべきだろう。


非難の矛先は、アルベルトとカールに向いた。


アルベルトとカールは確かに任務に背いていたので、言い逃れのしようもなかった。


結果論でしかないが、アルベルトとカールの選択は大きな間違いだったのだ。


アルベルトとカールの選択ミスが、騎士団の敗走を招いた。

それが騎士団の出した結論だった。


状況が状況でなければ、そこまで責められることはなかっただろう。


だが今は、王族貴族からの信頼が揺らいでいる状況であり、信頼回復のために何らかの策を講じないわけにはいかなかった。


アルベルトとカールは降格処分となり、騎士団員から見習いへと格下げになった。


そうして、騎士団の信頼が守られたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ