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泣いてばかりだった。
悔しさばかりだった。電車を降りる。
彼女でもない嫁さんでもない、貴女に電話する。
『大阪の仕事、なんだかなぁ』
『辞めちゃえば』
『そうだな』
俺は、バスタブでmarionetteを聴く。
バスタブで吸うたばこ。
きれいに流れ去った日々。ただ、貴女へ。
優しくて、真面目で人に尽くして、可愛くて、
俺のスーツを選んでくれる。
俺の悔しさ100パーセントの日々を救ってくれた。
ため息を一つ吐くと、幸せが逃げるなんて嘘だ。
俺は、部屋から見える新幹線を見つめる。
色んなドラマがすべての人にあるのだなぁと。
全ては義務じゃない。
全ては権利じゃない。
俺は、また、貴女を想い、鏡を見て、
こんな生き方も悪くないなぁと自分を認める。
よっしゃ。
行きますか。
空を見上げて、
ため息、
吐いて。
俺は、また、まだまだ、また。




