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僕と猫と伯母さんと、時々ナニカの物語  作者: 十字たぬき
僕と伯母さんと猫の日常 SS
9/23

陰謀論

 




 陰謀論(いんぼうろん)


 ニュースの報道の裏に隠された、政治家や宗教組織の思惑。時にそれは、表社会に現れない秘密組織や存在しないと思われる宇宙人や魔法のようなものだって大いに関わってくる。


 僕はそれを、お父さんと一緒に動画サイトで楽しむけれど、漫画やアニメと一緒で作り物だって知ってる。


 実際にはそんなものは存在しないし、そもそも日本では宗教に傾倒(けいとう)する人が少ないっておじいちゃんが言ってた。


 年の初めには初詣に行って、夏には茄子と胡瓜でご先祖さまを送り迎えする。秋には仮装をして、冬にはケーキとチキンを食べる。日本人の大体はそうなんだって。僕のうちだってそうだ。



 そう思っていた僕は、本当に浅はかだった。



 日本には、裏で暗躍する組織が本当に実在したのだ。教科書では確認できないけど、きっとその歴史は長いように思う。



 その名も、猫おばさんーーーーーー



 単体でも複数人でも猫おばさん。ネットで調べると、数々の痕跡からその力は強大だとわかる。


 おばさんと呼ばれるが、女性の勢力が大きく見えるだけでその実態はおじさんだっている。猫おばさんと呼ばれる、一代組織なのだ。


 普段は一般人に紛れて生活しており、見た目じゃ判別できない。しかし、何か有事の際には、日本全国に散らばった各々が最大限の力を発揮して、それが大きな波となり、流れとなる。


 現に、日本の首都である東京で、色んな動物が害獣扱いになっているにも関わらず、保健所が行う犬猫の殺処分が、救えない命を除いてゼロとなった。


 僕が独自に入手した情報によると、保護団体という仮面を被った怪しい組織らが地盤を固めて、力を合わせた結果のようだ。


 ここまできたら誰もがわかるだろう。


 そう、仮面の下に潜む猫おばさんによるものだ。


 最近なんか、とある大学の猫の病気を治す薬の開発に沢山の寄付が集まった。そこに集まった額はなんと、一億円をゆうに越えた。


 これは疑いようもない。日本各地で息を潜める彼ら、彼女らの仕業に違いない。


 彼ら、彼女らは基本的には法人であったり、個人であったり。つまりは無償(ただ)で活動している人が殆どなのだ。


 だから、あまりネットやニュースにその名前は載らない。それも、猫おばさん達の狙いなのだと僕は思う。




 いつかこの世界は気づかない間に、猫で溢れ、猫に癒され、猫なしではいられない星となる。


 そんな世界は素敵かもしれないと思う僕は、もう既に猫おばさんに侵食され始めているんだと思う。きっと、猫おばさんじゃない僕の意識もあと僅かだ。




 彼ら、彼女らは今日もきっと日本の至る所で暗躍している。そう、きっと貴方の近くでもーーーー

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