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僕と猫と伯母さんと、時々ナニカの物語  作者: 十字たぬき
僕と伯母さんと猫の日常 SS
10/23

坐禅

 




「ちーくん、坐禅(ざぜん)という言葉を知っていますか?」


 窓の近くで日向ぼっこをしている白に目を向けながら、伯母さんはそう言った。

 よくみると、その目は一切瞬きをしていないから凄く怖い。


「あれでしょ?テレビで見た事あるけど動いたりするとお坊さんに木で叩かれるやつ」


「よく知っていますね。さすがちーくんです」


 伯母さんはこうしてよく褒めてくれるから嬉しい。でも、優しい声音で返事をしながらも、まだ瞬きをしない伯母さんがやっぱり怖い。


坐禅(ざぜん)瞑想(めいそう)の一種で、煩悩(ぼんのう)に縛られていることから解放され、迷いや苦を脱して自由の境地に到達することを目的としています」


 ちょっと言葉が難しくてよくわからない。


「あれが欲しいとか誰かに好きになって欲しいとかの欲望に惑わされず、悩んだり苦しいと感じる考え方すら越えた先に、自由があると信じて心を無にする修行なのです」


 僕が難しいと思ったのがわかったのか、伯母さんはさっきよりわかりやすく説明してくれたけど、その目は変わらず白に向いてる。まだ瞬きはしてない。


「猫って生まれながらに瞑想してますよね。寧ろ、これは悟り開いてますよね。もう自由を超えて超次元的な存在だと私は思うのです」


 結局僕には、坐禅も瞑想もわかるようでわからなかった。


 ひとつわかることは、白は食い意地はってるから多分伯母さんが言ってることは間違ってるってこと。


 瞬きを一切せずに白の日向ぼっこ姿を見つめ続ける伯母さんは、多分何かの修行中なんだと思う。

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