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第75話 謎の爆発音が聞こえたよ?

 滝の音が聞こえてきました。


 どうにか、無事に第3休憩地点まで辿り着けたようです。

 ジャイアントベアは…… 追ってきてないよね?


「助かったな…… デガルフがいなかったら、間違いなくジャイアントベアは俺達を襲ってきてただろうな」


 シベルスターさんの言う通り、ある意味デカルフのお陰で、私達は狙われずに済んだと言えます。


 もし、デカルフだけでお腹が満たされていなかったら、私達を追いかけてくる可能性もあるから、まだ助かったとは言い切れない。


 ジャイアントベアに噛りつかれたデカルフの姿が自分達と重なって、寒気がしてきますよ。


「じゃあとりあえず、ここでご飯の準備にしょう」


 ディアナさんは、ここで野宿するつもりみたいだけど、危険じゃないですか?


「マセル、荷物を下ろしてくれるかしら。ご飯の準備をするわ」


「シンディさん、ここで野宿しても大丈夫なんですか?」


 ここは渓谷の底にあたる場所で、もしジャイアントベアが現れたら、逃げる場所がないですよ。


「大丈夫よ。休憩地点には、魔物から避難できる場所があるのよ」


 避難場所ですか? 見渡しても、それらしい所は見当たらないけど。


「すぐにわかるようなら、避難場所にならないだろ。あの滝の後ろに洞窟があるんだ」


 シベルスターさんが教えてくれました。

 滝の裏なら、魔物に見つからずに済みそうですね。ちょっと安心しました。


 と、その時でした!


(ドーン……)


「今、どこかで爆発音が聞こえませんでしたか?」


 私がそう言うと、セレーヌさんに睨まれました。


「ちょっとマセル、変なことを言わないでよ! キミは、ジャイアントベアがこっちに向かってる、って言うの?」


「そういうわけじゃないですけど……」


 でも、確かに今音が聞こえたような気がしたんですよ。


「マセルの言うことを信じたわけじゃないけど、ご飯の支度は洞窟の中でした方が良さそうね」


 私達は、急いで滝の裏にある洞窟に移動することにしました。



   ◇ ◇ ◇



「バール将軍、もうすぐ目的地に到着します!」


 マチョリカ公国のバール将軍。

 彼はジード王子の勅命を受けて、飛行船でレムス王国領に潜入したのだった。


「この辺りに、着陸できそうな場所はあるか?」


「はっ! 目的地の南方約2kmの地点に、手頃な草原が見えます!」


「よし! その草原に着陸して、夜明けを待つことにする。明日は日の出と同時に作戦行動に移るぞ!」


 今回のマチョリカ公国の行動がレムス王国に見つかると、二国の同盟関係にヒビが入ること必至。


 ジード王子は『そんなことはどうでもよい』と気にしていなかったが、それでもバール将軍は、日が沈んでから闇に紛れて隠密行動を取ることにしたのだった。


「バール将軍! 着陸地点の側にジャイアントベアを発見しました!」


 バール将軍は、ジャイアントベアと聞いて、昔のことを思い出した。


 ジャイアントベアか……

 昔『それ』の討伐にあたったときは、数百人規模の騎士団が出撃したが、私の部下からも多数の犠牲を出しながら、漸く退治できたほどの最悪の魔獣だった。

 それが、今では全く脅威ではなくなった!


 それも全てジード王子のお陰だ。

 ジード王子の【カガク】の力がある限り、怖れるものなど何もない!


「速やかに排除して、着陸地点の安全を確保するのだ!」



 ドーン! ドーン! ドーン!


 飛行船から草原に向かって爆弾が落とされ、連続して爆発が起きた。


 グワーッ!?


 突然の爆撃に、ジャイアントベアは驚いて周りを見渡している。状況が理解できず、動けないようだ。


 ドドドドドド!


 爆弾に続いて銃撃が開始された。


 ドドドドドド!


 1分間に及ぶ銃撃にさらされたジャイアントベアは、全身から血を吹き出し、崩れ落ちた。

 動かないジャイアントベアに対し、更に追い討ちの爆弾が降り注がれた。


 

   ◇ ◇ ◇



 まだ日の出までは早いですが、目が覚めました。


 あの時聞こえた『爆発音』が気になって、ほとんど眠れなかったよ。


 私は皆を起こさないように、ゆっくりと洞窟の入り口の扉を開けて、外に出ました。


 外は雨が降っていました。


 迷宮までは、もう目と鼻の先だけど、雨で視界も足場も悪くなるから、慎重に行動しないといけないですね。

 特にジャイアントベアには、最大限の警戒が必要です。


「マセル、早起きだね」


 私が考え事をしていると、声を掛けられました。


「ディアナさん、おはようございます。もしかして、僕が起こしてしまいましたか?」


「違う違う。私も外が気になって起きたんだよ。それから、もう皆も起きてるよ」


「皆さん、起きてるんですか?」


「そうだよ。だから、ちょっと早いけど、すぐに朝食にして出発するよ」


 やっぱり皆、心配で眠れなかったんだね!


 私は、いつ魔物に襲われても大丈夫なように、荷物の整理をしていて、なかなか寝付けませんでした。私だけが特別心配性なのかと思ってたけど、これが普通だとわかって安心しました。



 洞窟に戻ると、シンディさんが話し掛けてきました。

 シンディさんの目が、ちょっと赤い。シンディさんも寝不足のようですね。


「マセル。あなたが夜中にずっとゴソゴソしてるから、気になってなかなか眠れなかったわ。それに、扉を開けたから滝の音がうるさくて目が覚めてしまったわよ。皆に謝っておくのね」


「ご、ごめんなさい…… シンディさん」


 ううう…… 私のせいで、皆を起こしてしまったんですか。やっぱり、私が心配性過ぎるみたいです。


 その後、朝食のマチョリカ公国製のパスタを食べながら、皆に謝罪しました。


   ・・・・・・


「これから迷宮の中に入るけど、隊列はどうしましょうか?」


「先頭は今まで通り俺が務める。それでいいな?」


 誰も異論なく、シベルスターさんに決まりました。


「2番目は私が行くわ」

「姉さんの後ろは僕が行くよ」


 セレーヌさん、セシルさんと続いて


「じゃあ、その後ろは私ね」


 シンディさんが4番目。


「5番目は私で、最後はマセルで決まりだね」


 ディアナさん、私の順に決まったけど、最後尾って結構危険なんだよね……

 迷宮内では、後ろから魔物に襲われることもよくあります。


「シンディさん、僕に盾を貸してほしいんですけど……」


 シンディさんは遠距離攻撃だし、隊列の真ん中だから、盾はあまり必要ないですよね。

 だから、私にその『デカルフの突進でも傷1つ付かない』頑丈な盾を貸してください!


「マセル、あなたに渡した盾はどうしたのかしら?」


 あれは盾じゃなかったですよね!

 あの『お鍋の蓋』は、あっさりと壊れましたよ。


「なくしたのね? またなくされると、私がジョディに怒られるから貸せないわ」


「あ、あれは、失くしたんじゃなくて、壊れたから捨てただけですよ」


「それじゃあジョディに言い訳できないわね。例え壊れたからといっても、勝手に捨てちゃダメね」


 確かに、借り物を捨てたのは私の落ち度でした……


「マセル。いざというときは、私が盾を使うから任せて」


 ディアナさんはそう言ってくれたけど…… 貸してはくれないんですね?


 凄く嫌な予感がするけど、とうとう迷宮探索が始まったのでした。



最近忙しくて、更新が遅れがち。

頑張って更新しようと思ってはいます……

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