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第一話

「おいていくよ」「ちょっと待って!」


 私は竜崎(かえで)。高校一年生の16歳だ。私には双子の兄がいて、名前は(はやて)。私の自慢の兄だ。私は人より勉強も運動もできるが、兄は私以上に天才だ。しかし、性格は根暗ではないが人づきあいが苦手のコミュ障で友達は0人。私には普通に話してくれるんだけどな……



「今日の晩ごはんはなに?」「そうだな……カレーにでもしようか」「やった!私大好き!」

 そういって私たちは学校から出ていく。


 私たちは今、二人で学校の近くのアパートを借りて二人暮らしをしている。私たちの親は私たちが子供のころに私たちを孤児院に預け、どこかへ行ってしまった。あまりにも幼い頃だったので母や父の顔は覚えていない。颯もそうだろう。しかし私たちは親を恨んではいない。きっとなにか事情があったのだろう。今更現れてもきっと他人としか思えないだろう。

 私たちは孤児院で育ててもらった。高校生になってバイトもできるようになり、これ以上孤児院の人に迷惑はかけたくなかったので、孤児院を出て二人で何とか生活をしている。


「ねぇねぇ、あの子たち危なくない?」「どこ?」「ほら、あそこ」

 私たちの反対側の歩道でボールを蹴りあっている男の子たちがいた。この場所は車の通りはそれほど多くないが決して少ないわけではない。

「別に大丈夫だろ、俺たちが心配することもないだろ。ほら、急がないとスーパーの安売り商品がなくなってしまうぞ」「……そうだね」


 俺もあの男の子たちが気になったが、お金がないのでできるだけ食費などの生活費は抑えたかった。だから俺はあの子たちを無視した。




「っ危ない!」


 楓が反対車線に走り出していた。


「どうしたんだ!」

 楓は俺の言葉を無視し走った。その視線の先には……


「止まれぇぇぇ!!」


 大型トラックが急スピードで男の子たちに突っ込んでいくところだった。俺はとっさに楓を追いかけた。



 バンッ


 ……俺はあの時の判断を悔やんだ。もし、楓のいうことを聞き注意をしていたらと。


 俺の体はトラックにはねられた。


 楓や男の子たちは無事なんだろうか……

 そんなことを考えてまもなくして俺の意識は痛みで途切れた。




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