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6.5 ポニテちゃんの主張
番外編でもない。しかし本編かと言われるとカテゴライズしにくい。
そんな感じの話。
自称ポニーテール女子、仁田部 璃瑠。
実は私は、路木ハルトと会ったことがある。
それは彼が14歳にして彼自身の、人生最後の読書をしていた時であった。
彼は元々は神話などの文献を読むのが趣味で―とはいうものの、今では見る陰もないが―、その彼が《ドワーフ》のページを開いた時。
その指はある世界の名を差して。
その双眸はこの世のどの鉱物よりも輝いて。
彼は神話の者に触れてみたい、と強く願った。
するとどうだろう。
それと時を同じくして、私は深い闇から引揚げられ、命を知り。
ページの対岸で彼の輝く顔を見た。
私は彼と『出会った』のだ。
彼は私を生み出した。それならば、他の者に、ましてやどこの馬の骨とも知れぬ奴にハルトを渡す訳にはいかない。
彼は私と共にこの地に残り、そうして幸せになってもらわねばならない。
「ハルト、私と共に残って、一緒に幸せになろう?」