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エスケープ
エスケープ:勝手に休暇を摂る
無断欠勤
逃亡の意。
もう一度目覚めたハルトは、《ヨトゥンヘイム》へ行く事を決心する。
「俺、やっぱり《ヨトゥンヘイム》に行く」
ハルトがそう言ったのは、璃瑠との死別から二日の後のことであった。
ハルトは今、和沙と共に《アスガルド》へと向かって旅をしていた。
「何でそんなところに?」
そう、《ヨトゥンヘイム》は、人族の者がそう気軽に行くようなところではない。
むしろ、この世で最も行く事を忌むべき世界だ。
それなのにハルトは、そんなところに赴こうとしている。しかも自分の意思で。
「・・・なんかさ、忘れてるような気がするんだ。忘れちゃいけないものを、さ」
ハルトはそうとしか言わなかった。
冷え込む夜は永く、その日は特段寒く、暗く感じられた。
翌朝の、空がまだ薄く明るんだ位の頃の事だ。
ハルトが、忽然と姿を消した。
和沙は全く気がつかなかった。
ようやくそれに気がついたのは、もう朝日が青く色付いた空の花道を闊歩しながら姿を出した、午前八時を五分ほど回った頃だった。
「ハルト・・・君は行ったのか・・・」
どこに向かったのか、和沙にはおおよそ見当がついていた。
巨人の治めし世界である。




