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トネリコの繋ぐ宙―奈落篇―  作者: あーもんどツリー
6 ハルトと世界と《堕としモノ》
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エスケープ

エスケープ:勝手に休暇を摂る

      無断欠勤

      逃亡の意。

もう一度目覚めたハルトは、《ヨトゥンヘイム》へ行く事を決心する。

「俺、やっぱり《ヨトゥンヘイム》に行く」


ハルトがそう言ったのは、璃瑠との死別から二日の後のことであった。


ハルトは今、和沙と共に《アスガルド》へと向かって旅をしていた。


「何でそんなところに?」


そう、《ヨトゥンヘイム》は、人族の者がそう気軽に行くようなところではない。

むしろ、この世で最も行く事を忌むべき世界だ。

それなのにハルトは、そんなところに赴こうとしている。しかも自分の意思で。



「・・・なんかさ、忘れてるような気がするんだ。忘れちゃいけないものを、さ」



ハルトはそうとしか言わなかった。

冷え込む夜は永く、その日は特段寒く、暗く感じられた。




翌朝の、空がまだ薄く明るんだ位の頃の事だ。

ハルトが、忽然(こつぜん)と姿を消した。


和沙は全く気がつかなかった。

ようやくそれに気がついたのは、もう朝日が青く色付いた空の花道を闊歩(かっぽ)しながら姿を出した、午前八時を五分ほど回った頃だった。



「ハルト・・・君は行ったのか・・・」



どこに向かったのか、和沙にはおおよそ見当がついていた。

巨人の治めし世界ヨトゥンヘイムである。

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