アンカー
アンカー
リレーなどで、最終走者のこと。
あるいは、舟を繋ぎ止める金具のこと。いかり。
砂漠の如く、ただただ広い世界。
足跡は長く続き、しかしながら後ろから徐々に消えていく。
頑なにひたすらに、延々と続く果てのあるかも判らない、それが無いのかも知れないが、しかし有る可能性もあり、結局のところ決着は果てまで行かないと着かない、そんな道とも言えないような途を無言で、はたまた無音で歩く。
回りくどい文脈で綴ったものの、簡略してしまえば、世に言うところの「遠足」である。
ただ一つ決定的に違うのは、その「遠足」に着陸点の有るか無いか、ということである。
産女は、どこへ消えたとも知れぬ《宝物》を捜し求め、そんな辺境の地の一端を歩いていた。
不時着した船は、先の衝突の際に使い物にならなくなり、船員は上空云千メーターという高さから落下して、これもまた使用不可となった。
つまるところ、彼は孤独な旅の中、針の穴を通す程の、過酷な暗中模索に興じていたのだった。
「喉が渇きますね・・・。腹立たしい限りだ」
独り、相手のない会話を四時間ばかり続けた為か、いよいよ彼の体力は限界に限りなく近いところまで消耗していた。
「やんぬるかな・・・、そろそろ御迎えの時間ですかね」
せめて、最期に宝物を、手中に収めて置きたかった。
嗚呼、幻なのだろうか、美しい街が見える。桃源郷か、神の国か、はたまた楽園か?
・・・私を、破滅させようと?
そこで産女の意識はふっ、と切れた。
惨めなことに、彼の死を悼む者はなく、その最期が知られる事となったのは、死後何年も後のことだったという。
そんなこともつゆ知らず、ハルトはフレイヤと共に《ニヴルヘイム》へと向かっていた。
「貴方に、答えを見せましょう」
どういうことなのか、ハルトには全く理解できようもなかった。
それゆえに、彼はフレイヤに着いていく他に選択の余地はなかった。
数分後、《ニヴルヘイム》中枢部。
「ここは・・・?」
暗褐色の景色が目に入った瞬間、ハルトはそう口走っていた。
「ここは『始まった』場所」
「?」
ますます解らない。
「《ユグドラシル》の九つの世界は、全てここで生まれた。まず、《ニヴルヘイム》と《ムスプルヘイム》がここで衝突し、そうして世界は、分裂することで産まれた」
だから何だと言うのだろう。
「貴方には、運命が課せられている。
・・・それを全て、破滅へ導く運命が」
・・・・・・え?
何を言っているんだ?
「破滅こそ、貴方の成すべき答え」
何だって言うんだ。
どういうことだよ。
俺が、世界を壊す・・・?
「貴方はロキ。巨人族の長にして、世界最後の裏切り者」
俺が、俺が・・・・・・・・・?
路木ハルトの運命は、破滅を導くこと。
正気なんでしょうか?
どうも、あーもんどツリーです。
路木、という名字は狙ってましたね。
やっぱり私は、主人公をいたぶるのが好きなんですかね?
ドSじゃないですかやだー(棒読み)
そんなこんなで、この物語は続きます。
次回もよろしくお願いします。
それでは、また会いましょう。




