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意気揚々と校門をくぐり、ガラス張りの引き戸を開いた。
「避けてっ!!」
という叫びと同時に俺は、ふわり―というよりはポーンと、宙を舞った。
アレ、俺ってこんなに軽くブッ飛ばされる雑魚キャラだったっけ・・・?
とか何とか考えていると、いつの間にやら地面に到達していたようで。
ガツン。
鈍い衝撃音が俺の頭にこだました。
「っ痛ァ・・・」
「だ、大丈夫・・・ですか?」
「ったく、痛ぇなあ・・!」
と言いかけて、思考が全停止した。
そこにいたのは、紛れもなく、世間でいうところの《美少女》だとかいう雲の上の人種だった。
黒くて長い髪、パッチリ二重、薄紅色の唇。
しっかりした生徒会系で、守ってあげたくなる華奢な体つき。・・・しかも、理知的なイメージを漂わせる青いフレームの眼鏡。この美しさが分かるヤツであれば誰であろうとイチコロに違いない。
一目惚れとかいうヤツだな、コレ。